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8月へ
7月も終わります、今日は農水省の支援企画で東京へ。
東北電力は電力販売自由化で東京ガスと組んで、首都圏で電力販売するのだそうです。プロレスで言うガチンコか、それとも戦う真似で「裏ではつるむ電力業界」なのか。業界の長男格の東電が原発事故で盟主の座を追われ(表向き?)、次男格の関電が原発が稼働できずに業績不振。原発依存率が低かった東北電力に思わぬ好機が来たのかもしれません。

さて、この7月は浅丘ルリ子。何のことかわからい方も多いかと思いますが、日本経済新聞の「私の履歴書」がこの7月が浅丘ルリ子の執筆(か口述筆記・ゴーストライター)。浅丘ルリ子が書くと発表されたとたんに男性週刊誌は、「男をどこまで」と色めき立ちましたが、小林旭も石坂浩二もそれなりに出てきました。
「政財界の重鎮の最後の自慢話」と揶揄されたこのコラムも、このところ王貞治・萩本欽一など顔ぶれも変わってきました。最近の財界人では似鳥さんが面白かった記憶があります。

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さて、明日から8月。いつも書くように1週間から10日前倒しの今年の農作物、桃だけ進むわけではなく「梨」も進んでいます。9月近くに収穫が始まる幸水は今年は20日過ぎか。
これから一気に着色が進みます、青みがあるのが幸水、茶色味がかるのが豊水。

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果樹園の中は、除草剤は使わず「手刈り」の除草できれいなのですが、果樹園周辺は夏草に覆われる時期です。繁茂した雑草に交じって薔薇が何輪か。
ここぞとばかり、最後の自慢を書き連ねる「政財界の重鎮」に交じる「浅丘ルリ子」のようなものか。とはいえ清楚の吉永小百合の対極のようだったエキゾチック系の美人女優の70代半ば、花の命は短いのがいいのか。

今日の東京での会場は、品川グランドプリンス。こちらも70代に負けず頑張りましょう。

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猛暑の「異変」
桃の主力品種、「あかつき」。例年だと今頃から出荷が増えるのですが、平坦部ではもうピークが過ぎたとのこと。
事にの生育は、例年より1週間から10日早いと言われたのですが、収穫までその状態出来てしまいました。高温と日光で甘味は上々、しかし急に育ったせいか玉の伸びはいま一つのよう。大玉のギフト用を手がける販売店は「頭が痛い」ようです。

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もちろん青果品なので、値段は需給バランスできますのですが、ギフト用と言うのは5000円3500円と言うふうに売価は比較的自由に決められます。贈答価値もっと露骨に言えば「押出し」に見合った価格、であるとスーパーより百貨店の包装紙がモノを言ったりすることもあります。
夏のギフトシーズン、みたところ福島産の桃の価格は相変らず頭打ちか。震災5年目を経てもこの状態は、もはや「風評」というより「評価の固定」。何年もかけて築いてきた評価が落ちたきり持ち上がりません。
「食べて応援」の支援的な購買喚起は一時的なもの、こちらは5年ですっかり色あせました。

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「評価の固定」の発端となった、主要因と言うより唯一の要因(収束に向けての不祥事も含む) 原発事故。東京電力の方は4~6月期で経常利益が4倍に増え過去最高とのこと。記事によると燃料費の低減が貢献、原子力賠償・廃炉等支援機構からの事故賠償費用を「特別利益」に計上すると言う会計上の足し算引き算によるもの。
「出て行く分は他所から貰える結構な身分」と被害を被った農家からの怨嗟が聞こえるようです。怨嗟と言えば事故後の避難を苦に、102歳で自殺した老人の「慰謝料賠償も求める」提訴がありました。102歳で賠償と言うのも違和感がありますが、102歳で死を選ぶと言うのも事の底知れない異常さがあります。
稲作の指導会へ
宮城県北部、登米市での有機稲作の指導会へ。東北自動車道を北上し、築館辺りから一般道路で向かうイメージを車に乗ったらナビは仙台南から三陸道経由との案内、昔から地理勘には自信があって下手なナビより早く着くと自信はあったのですが、最近ナビに逆らって痛い目に合うことが多く素直に三陸道経由。
思いがけなく「石巻」も通りました。「がんばろう石巻」の看板は見えましたが、道路上からは津波の爪痕は見えず、復旧は進んでいるのかと。こんなことなら時間に余裕も持って出発して、被災・復旧の様子も見たいと思いました。
内陸部には仮設住宅も見えました、復興の道は遠いか。何れ原発の問題がないので、福島よりは障害が2つ3つ少ないのですが。

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宮城北部も梅雨明けたとこと、こちらは「ササニシキ」の本場。ふくしまの「コシヒカリ」とは生育が違い、もう出穂している水田もありました。ただし、宮城と言えば一面ササニシキと言うのは昔の話、ヒトメボレやら多くの品種が混在し、もちろん外見ではわかりません。
ザリガニにやられたと言いながらなかなかの生育、「茎数が確保されていますね」と栽培者を褒めたら「現時点で何よりの評価」と喜んでくれました。さいきんケイスウというと「係数」の作業ばかりしていたのでイネの緑が鮮やかです。
もう少し、「葉色が褪めてもいい時期」「一旦水を落としてもいい時期」と思はなくはないのですが、それは研究所の職員がアドバイスするでしょう。

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庄内から4時間かけてきた稲作農家もあって、風評被害の影響で有機栽培を縮小したと言う声もありました。有機米・庄内・風評被害、何の関連もなさそうですが、有機農産物を好む消費者層は「食の安心」に敏感で、日本海側の遥か鳥海山の麓の庄内米ですら東北・北関東産は[嫌です」と一括りになるのです。


梅雨が明けました
やはり「相馬野馬追」が来ると同時に、「梅雨」が明けました。猛暑と台風の今年の気象も、妙なところで「律儀」です。

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さすがに雪ひとつない「吾妻小富士」隣に見える「一切経」からも噴煙は確認できません。年初の、雪に閉ざられている頃問題になった「噴火警戒レベル」も現在のところ、何の問題もないようです。

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麓では、南北の動脈「東北自動車道」と交差する、相馬・米沢を結ぶ道路の建設が進んでいます。高速道路が通らない山形県南部へのアクセス道路として「栗子越え」の建設は進んでいたのですが、原発事故で袋小路のようになった、福島県浜通り北部へのテコ入れもあるのか、福島市から太平洋側の建設も進んでいます。
地元の「用地買収」を受けた側の話を聞くと、話を聞くたびに買収面積が広くなるとのこと。普通は公共事業は、竜頭蛇尾で計画はともかく事業は縮小に次ぐ縮小で、当初計画とは似ても似つかぬものになり「厳しい財務状況」の一言で片づけられることが多いのですが。
まずは、中間貯蔵施設への汚染物質の「搬入」のために重要な道路という新たな役割があるからだと言われています。仮置き場、それもなく校庭や家庭の庭に埋設された「除染廃棄物」は早く持ち出してもらいたいので、道路の建設も急いでもらいたいのですが「中間貯蔵施設」という何とも中間的な施設が、先の見通しも立たないまま機能をもたせると言うのも釈然としません。
千葉の貯蔵施設は東電の施設跡なのでさほど問題にならないだろうと踏んでいたのですが、されはそれで他の市から持ってくるのと紛糾しているようです。

上の写真は新道路のインター付近、そしてたまたま近くにあった「桃の直売所」。幹線沿いは常設店舗になっているのですが、1本中に入るとまさに仮設の店舗。

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新しいインターや道路が開通し交通状況が変わると、人間の思惑では測れない「差異」が生じます。それで、直売所などは無論のこと大手企業が計算ずくで立地調査をするコンビニも撤退を余儀なくされます。
風評被害に悩まされ続けた直売所など、なんとか今度の交通量の波には乗れればいいのですが。

気が気ではない
梅雨明けはまだ、雨と猛暑が交互に来るような状態。エルニーニョとのことで天候不順を予想していたら、思いのほか春から晴天が続き、長雨時も低温は続かずに農産物の成長は前倒し、例年から7週間から10日早いと言うのが農家が口をそろえるところ。

生育が早い年は梅雨明けが遅れたりと「調整」があるのですが、今年は梅雨明けがが遅れても猛暑の梅雨になっているため、多量の水分と暑さ、植物の生長が止むことがありません。

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そこで心配になるのが、販売時期にターゲットがある農産物。例えば旧盆向けの「菊」、以前冷夏で旧盆過ぎの出荷になったことがありますが、これでは洒落になりません。
前倒しであれば、8月になるとなんとかお盆の雰囲気になりますが、仏壇用墓参り用の需要は10日過ぎ、ピークは12.3日か。
この辺の産地は生花店に出荷されるような、葬祭に使用されるような大輪の菊ではなく、スーパー場合によってはコンビニでも売られるような、旧盆やお彼岸の臨時需要用。

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震災以後、風評被害も「花卉なら影響が少ないだろう」と、昨付けを増やしたと言う話を聞いたことがあります。
それなりに苦労はあるもので、葉も見栄えがしないと商品価値が下がるので、見栄え・長持ち用に硝酸態窒素をふれとのこと。食用の作物にそのようなものを追肥したら「苦くて渋くて食えん」と言うことになります。仕方なく、夏場の収入源として仏事用菊を栽培していますが、本来はおいしいものを作るのが「稼業」。
ちょっと複雑といいながら、菊の開花が旧盆近辺まで持つことを願いながら、真夏日の農作業です。
アトランタ御三家
御三家と言うのは言うもでもなく、徳川御三家が由来か日本的な表現。「アトランタ御三家」も違和感のある表現になりますが、アメリカの南部の中心都市「アトランタにある世界的な企業3つ」。アトランタに行ってからもう20年以上経ちますが、浮き沈みの激しい米国企業でもこの3企業は健在のようです。
①コカコーラ②CNN③デルタ航空
CNNはネット通信に隠れましたが健在、コカコーラもソフトドリンク業界ではやはり強い。アメリカの航空会社はパンアメリカン航空に代表されましたがパンナムは消えて久しく、その後の航空業界も合従連合を繰り返しましたが日本にはそう馴染みがなかったもののデルタは存続しているようです。そのデルタがスカイマークを支援か?のニュース。
また、日本経済新聞が英国フィナンシャルタイムを傘下に収めるとのこと、日経1面は自画自賛のようにその記事。ヨーロッパを代表する通信社「ロイター」、以前調べたらアメリカだったかカナダに移転していました。グローバル社会の中、本部が世界のどこにあるのか問題ではないとしながらも、退潮と言われるアメリカ経済が、依然勢力の中心であることが伺われます。

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世界経済の新興勢力として注目されていた、中国の方が上海市場のバブル崩壊(?)かと、先行き不安を不安視。しかし幸い日本でのインバウンド需要いわゆる「爆買い」は順調のようです。

福島でも地元食材で贅を尽くしたおもてなし料理で、ハラール対策にも気を配り「外国客」の呼び込みに必死です。現在も男子ゴルフのトーナメントも行われ国外ツアーからとんぼ返りの選手もいますが、なかなか一般客は千客万来とは行っていません。
多分に政治的な駆け引きがあるにしても、東北北関東のものは輸入しないなどと言う周辺国。[来てください」と言うのも当事者だけの力だけでは限界があります。


ふた組の「野菜」!
連休の午前中、ドアホンがなって出てみると「見知らぬおばあさん」。「朝採りの野菜はいかがですか」とのこと、つまり行商です。多少なりとも農作物関連の仕事をしているのですが、そんなことは知らないおばあさん、「きゅうり」「なす」この辺りでは「ささぎ」とよぶ「いんげん」、リヤカーではありませんが農作業用の軽トラに積んできたようです。

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きゅうりなどは関係する研究機関の試験圃場のものを、かなり大量に送られてきたばかりなので、「なす」だけをいただきました。3個で百円、好物のなす味噌にするには十分な量です。「前からこの辺を」と聞くと、前は直売所に出したけど売れなくてと言うはなし。震災以来状況が変わったのは周知の事実、大型農家も風評で市場出荷で買いたたかれると背に腹は変えられず「直売所に」、人気の直売所とはいえ売れるキャパは決まっているのであぶれるものは出てきます。マーケットの宿命とはいえもともとの田舎の直売所の「成り立ち」からいえば切ないものがあります。

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こちらは、福島を代表する観光ホテル。内陸部の温泉地で「蟹」や「マグロ」だけでも仕方がないと言うことで、地元の野菜を使った創作料理を出しています。ところがお客様の中には、温泉は刺身と言う思い込みも多く総料理長みずから希望するお客様においしい野菜料理のレクチャーと、子供を対象にした夏休み企画の野菜料理教室。
ここのホテルの社長が、福島県内のホテル・旅館業を代表して風評被害の対応を東京電力と交渉していました。

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以前にも書きましたが、福島は沖縄同様、主力地方紙が2紙。全国的にも珍しいそうです、で「読売系」と「毎日系」。編集にもその色が感じられ「朝日」「産経」ほどの差はないものの、それぞれ保守色、中道・革新色が出てきます。
読売系の地方紙の一面、汚染水に関してかなり手厳しく東京電力の対応を非難していました。排水路の汚染水はポンプで汲み上げて外洋流出を阻止しているが、先日の台風のように降雨が毎時14ミリを超えると処理が間にあわず、つまり汲み上げきれずに外洋に流出するとのこと。県が改善を求めると「物理的にもうこれ以上の対応は無理」「外洋流出の可能性は漁業関係者にも説明している」との「開き直り」とも取れる発言があったと、比較的原発に理解がある保守系紙でも報道されていました。

人の迷惑は知らん、出来ないものは出来ない、したくないものはしたくない、と言う開き直りでは、日本人もあまりギリシャのことは言えません。東電の経営陣が言う「被害に会われた方の立場に立って」「最後のおひとりまで」「被害の続く限り」こちらも東芝と同じように舌が複数あるようです。
早生桃「暁星」
福島の桃の主力品種は早生系で「暁星」、中生で主力の「あかつき」「白鳳」、旧盆過ぎの晩生品種で「川中島白桃」「ゆうぞら」。

関東甲信は19日で「梅雨が明けたとみられる」以前の言い方だと「梅雨明け宣言」。たった三日前に遭遇した甲信の雨量による中央線の不通、足止めは何だったんだろうと思います。天候による紙一重の「運・不運」はせん無いことではありますが。

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例年より、1週間は早いのですが春以来の好天で早生種「暁星」の収穫が始まりました。JAの共同出荷ではなく、「腕」つまり栽培技術=味覚に自信のある農家が、自前の選果装置を入れ、自分の名前で販売しています。産地直送で見かける段ボール箱に〇〇果樹園、△△農園などと印字されたもの。
手前の台が計量台バネになっていて、計量した重さに合わせて回転台のポケットに転がります。「この装置いくらら掛かった?」今度聞いてみようと思います。

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この地域は観光コースや主要幹線道路からは外れていて、通行客相手の販売は出来ません。しかしJAなど青果市場の販売だけでは価格が安定しないので、親戚知人への縁故販売から始めて、口コミで販路を広げながら売り上げを伸ばしてきました。

ところが、降って湧いたようなセシウム騒動。山の彼方、太平洋岸の事故の余波を受け、いくら測っても「不検出」にも拘らず口コミからのリピーターは無論のこと、縁故の需要さえ戻り切りません。「子供がいる」「嫁が嫌がる」と言われると返す言葉がないようです。
遠隔地での福島の情報は、研究者の報告によると「4年前毎日のように報道されていた事故直後の印象のまま固定してしまった」と言います。たまに伝えられる情報は、「漏れていたが公表しなかった」「作業員がタンクから落ちて死んだ」「井戸から高濃度の汚染水が出た」「漁民が怒った」ネガティブなものばかり。

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収穫が終わった果樹園のアルミシートは剥がされて次の果樹園に、太陽光の反射で桃を下からも光を当てます。日々の苦労をあざ笑うかのように「苦労の特殊販売」桃のシーズンに入って行きます。
鉛色の空
時ならぬ猛暑、台風によってもたらされた豪雨。東北は雨量はさほどではなく、時折降る雨と鉛色の空。

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田舎の商店街の細やかな七夕飾りが、台風によりもたらされた南風に揺れています。この辺は桃の産地、近隣に先頃天皇皇后両陛下が見えられました。先日来の猛暑で糖度の乗りは十分です、あとは日差しが戻って赤く仕上がれば問題なしです。

天皇陛下は被災者の苦労を労われたとの報道、東電の事故現場から7・.80km、避難区域でもない土地で被災地としての対応は、風評被害を念頭に置いたものでしょう。政府も風評被害の払拭に躍起です、しかし天皇陛下のお言葉にこれ以上の何かを期待すると「政治利用」の指摘も出てきます。
もともと、風評被害については「名も葉もない噂」と規定されがちですが、必要以上に噂が独り歩きするのは、東電の不誠実とともに政府の無策、あるいは原発事故の影響を低く見せようとして、逆に国民の不安をあおった結果によるものです。

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車道と歩道の間、コンクリートの切れ目から夏の花がしっかりと根を張っていました。
東京の新国立競技場も白紙撤回で見直し、国民世論が政治を動かしたようです、しかし考えてみれば2500億円程度なら、福島原発の事故処理費用の規模ならば東京どころか各県庁所在地に競技場が設置できる計算。

当然それでは事故処理に費用を使いすぎると言いたいわけではなく、「原発のリスクを」いまだ軽く見ているのではないか」と言うことです。実質国有化の東電も「被災者を舐めているようなものの言いよう」反面天皇陛下のお言葉が心に沁みるのですが、利益を優先してリスク管理を怠り、国民に多大な営業を与えたうえに賠償・廃炉費用の工面など及びもつかず国有化。この事実をもう一度いろいろな場面で確認することが必要であると思います。




台風の中
台風が近づくなか、打ち合わせで信州へ。長野市ではなく松本市だったため、新宿からの中央線スーパーあずさを予定していたのですが、中央線は高尾山から大月までが不通になりました、で八王子で足止め。
台風はまだ四国沖のはずが、遠く離れた甲斐の国で列車が止まる不運に仕方がなく、武蔵野線・埼京線・北陸新幹線を乗り継ぎ長野から特急「しなの」で松本まで。

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午前10時に着くはずが午後2時近くになり、景色を見る余裕もなく打ち合せに。建物や木の間から見えるのが日本アルプスだろうと勝手に決めつけて移動。

アルプスと言う欧州の地名が地酒の銘柄に織り込まれるほどの浸透ぶり、ところ変わればと言うところです。ところが変わっても見分けがつかないのが女子高生。スマホ片手まで全国共通、これだけ情報網が発達すれば仕方のない話か。しかし、制服の違いかなんとなく清楚イメージがあったので後姿を失礼しました。

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17日の午前中予定が入っているためどうしても福島まで戻るしかありません。北陸新幹線、行着は全席指定の「かがやき」なので、仕方がないのでデッキで立つしかありませんでした。窓の外、避暑地「軽井沢」の風景を見ながら台風の中立って通り過ぎると言うのもなんともシュール。今後ともあまり経験したくない移動手段です。
帰りは何とか「しなの」「はくたか」とも座れて大宮まで。

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松本駅で長野行きを待つ間に足元には鳩が。怖がりもせず菓子の屑か「エサ」を探しているよう、時間に追われた1日の中で心が和みました。

清涼剤
西日本は台風の直撃が心配されますが、東日本はうだるような暑さ。梅雨も明けないうちから40℃近い猛暑は尋常ではありません。
もっとも40℃近いと言うのは気象庁の発表、駅前のデジタル温度計は40℃以上を掲示しています。コンクリートの照り返し、直射日光40℃を超えるのも当然です。

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このような日に限って、直射日光の下の「現地調査」の予定が入っています。現地調査は農場の調査、直射日光はともかくコンクリートの照り返しがないのは救われます。満面の水を張った水田と言いたいとこころですが今は間断灌漑中、稲の根まで酸素を補給し、秋の農作業もしやすくするために1時的に田んぼの水を切っている状態。しかし緑の稲のうえを渡る風は、(熱風ながら
爽快です。

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栽培農家のヒアリング、最初の栽培設計を聞いた時には「こんなもんでコメになるのか」と思ったそうですが、近隣の化学肥料の水田に比べても遜色のない出来に納得していると言うことです。コシヒカリの出穂まであと1ヶ月、これからまた充実してきます。

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農家さんが家の裏で飼育している「にわとり」も見せてもらいました。竹やぶを利用した平地の放し飼い、竹と鶏の取り合わせはまるで日本画のよう。
しかも、卵の生産のために開発された品種と違い、軍鶏のようなものから日本古来の品種まで、文字通り[いろ取り取り」。鶏ふんはさらって自給野菜へ、金銭には換算できない「豊かな生活」です。




それにしても暑い
ただでさえ暑いのに、猛暑のニュースが続き外気温と情報の複合効果、とにかく暑いです。
普通はあるからの天候が順調で、作型が早く進むと「梅雨」などで調整され、お盆のころには平年並みに落ち着くのですが、今年は輪をかけたように高温が続き、生育の調整どころか早まるばかり。果実の場合は糖度は申し分ないにしろ、「玉の伸び」つまり大きく育たない懸念はあるので管理に注意が必要です。と言っても、散水くらいしか有効な手立てはないのですが。
日本を縦断すると言う台風は、東日本にも雨をもたらしますか?何か梅雨前線を押し上げて、そのまま梅雨明けになりそうです。

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この猛暑でも、ヘルメットと放水除けの撥水のジャンパーを着て除染作業も続いいています。

浪江町から避難した男性が自殺した件で(何件か係争中の避難者の自殺に関わる慰謝料訴訟)、先日裁判所が原発事故との因果関係を認め、東電に慰謝料の支払いを命じ「原告」「被告」とも控訴しない方針、賠償命令が確定しました。

東電関係者が原告避難先に出向いて遺族に謝罪、の報道がテレビ・新聞で。東電も案が関係があることは分かっていても一応裁判では、「病気等他の要因」を主張して慰謝料を拒絶、判決が出ると「謝罪要員」が出向き仏前と遺族に謝罪。肉親を失ったご遺族には失礼な表現になりますが、何かお決まりの手順。
事故を小さく装いたい、賠償は出来るだけ減額。事故や不祥事を起した企業の通例ですが、異常に大きな放射能災害のなかで何か別の被害者救済がないものかと考えてしまいます。

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除染クルーは異常な暑さの中、住宅除染に使った「足場パイプ」を片づけ次の現場に移って行きます。こちらは首を長くして待つ次の除染現場のために手早い作業が必要なのですが、人の生命、生業、生活が絡むと「手早く」「規定通り」とは行かなくなります。そこには何十、何百の事情が介在しています。東電も「謝罪要員」だけではない対応が必要です、国もですが。
猛暑日で甘みが増しています
梅雨明けを前に猛暑日が続きます。梅雨入り前で果実類は「例年より1週間~10日間」の進み、実際の収穫は梅雨明け時期次第」と書きました。実際の梅雨明けはまだですが、これがけ猛暑日が続くと、気象台の梅雨明け宣言は関係なく果実は熟度を増して行きます。

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福島市北部・西部は果樹の産地、「直売」「直送」で生産者自ら販路を開いてきた歴史があります。国内で団体旅行が華やかな頃、温泉等の観光客を目当てに、直売やリストを作っての直送で販路を作ってきました。団体旅行が下火になっても宅急便やゆうパックなどの物流サービスが出現して、農協に頼らなくともと言う販売スタイルが生まれました。

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ところが、「降って湧いたような」と言うか、実際セシウムが空から降ってきて、セシウムの動態が行く分からなかった事故当年はともかく、果実からは放射性物質など検出されなくとも「風評」だけは残り、長年かけて作り上げた顧客・リピーターのリストが役に立たなくなりました。

よって、行き場のなくなった生産物は「JA」「青果市場」に流れ、そちらの関係者はほくそ笑むと言う「焼け太り論」もでてきますが、青果流通ルートはあくまでも需給バランスで値が決まります。これはこれである意味合理的なシステムなのですが、合理性で動かないのが人間の心理。買い付ける方は他産地から買って、足りなくなれば最後に福島県産と「当の青果市場の担当者」が嘆いていました。
頭が三角
自然科学と社会科学との間をつなぐような仕事や研究をしていると、時として「専門外」の分野にも足を踏み入れることになります。
パソコン一台あって、ネットでつなげる環境があれば、多少の情報は検索して直ぐにでも集積できます。パソコンのない時代はどうしていたのかと考えると、ゾッとします。図書館に出向いて必要個所をコピーして、そんなことで済ましていました。最初に論文(と言えるほどのものではありませんが)を書いた卒論は、まだ青焼きコピーでした。書き写さないでに済むことだけで結構満足でしたが。

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ネット検索で済まなくなると、やはり大学に行って研究者とのやり取りになります。学部の学生に教えている内容だとまだ何とかなるのですが、院生特に博士過程レベルの研究になると専門外の分野では理解も難解を極めます。
そのレベルになると、ブレイクダウンすると言っても誰でも理解できることにしようと思うと、実態の本質が変わってくることもあります。「これは●●でそういうものと思ってください」と言うしかないのですが、ビジネスモデル、品物やサービスを購入する側・それについて金銭や労働力を投入する方はどうしても、理解できなくともしたがります。

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研究機関への行き帰り、パソコンのモニターから目を転じてみる公園の、青空と緑が目に鮮やかです。情報が過多になって「頭が三角」状態から、整理して再度構築する。この作業を繰り返しながらなんとか共同研究を進めて行きます。


夏野菜
プロの農家ではなく、趣味の農業。しかし、定年退職などで時間が出来た人などが、行政の支援で農地を借り受けちょっとした規模で農昨業をしています。

ちょっとした規模と言っても、農業のスキルや労働時間によって借り受ける土地の面積は様々、最初は「区画を幾つ」と言うことから始まったようですが、持て余す人物足りない人。今では使いたいだけと言うような暗黙の了解で運営されています、それでなくとも郊外の農地は持て余され気味。「借りたい」とい人が現れれば諸手を上げてと言う現状です。

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TPPのコメの協議が大詰め、「備蓄米に回す」など例によって目先の対応で合意と言うか妥協点を見出そうとしています。日本政府の交渉窓口も、アメリカ等の交渉相手もさることながら場合によっては日本国内からも弾が飛んでくるので、なかなか大変です。
もっとも、日本国内の方は、「水田だってもう過ぐ持て余す」ことを見越している節もありますが。

さて、TPPはともかく、菜園の方の夏はもう直ぐで、ジャガイモ掘りは始まりました。以前紹介したときは花盛りだったジャガイモもプラスチックコンテナで運びきれないほどの「イモ」ができています。

この農園は基本的に有機栽培、その技術指導をさせて頂いているのですがジャガイモの場合は葉や虫がついても根(厳密に言えば茎ですが)に問題が無ければ良いわけで、その連農薬の依存度は下がります。

とうもろこしも白いひげが出てきました。ここに虫が付くと少々厄介なので気を使うところです。

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かぼちゃも黄色い花を咲かせています。かぼちゃは初夏から秋まで収穫が続きます、冬至かぼちゃと言っても冬至に収穫するわけではなく、初秋の収穫を保存します、保存性の良い品種でないと持ちませんが。とはいえ一般に出まわるのは、南半球産の輸入かぼちゃの可能性が高いのですが。

日本への輸出、「pumpkin」OKで「rice」がNGなのは海外の人にとっては理解できないかもしれません、そこまで行くと「文化論」です。

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秋収穫のサツマイモも随分蔓が延びてきました。品種ごとの食べ比べもこのような農園の特徴です、四季折々目と舌で楽しめます。
梅雨と真夏の間で
今にして思えば「なんだったんだろう」と思うのですが、震災当年「ヒマワリプロジェクト」なるものが流行りました。ひまわりは放射性セシウムの吸収係数が高く、土のセシウムをひまわりに移行させることにより、水蒸気爆発で降り注いだ土壌のセシウムを処理しようと言うもの。

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吸収させた後のひまわりの処理も深く考えず、世の中にこれだけ「ひまわりの種」があったものだ、とも思えるような種が日本中から集まり(輸入ものもあったかも知れませんが)、大小さまざまな、「ひまわりプロジェクト」が実行されました。

民間療法的なものかおもいきや、セシウムの被害の象徴的な地域になった飯舘村では、農林水産大臣まで駆けつけて「試験栽培のひまわり畑」も出現しました、億の金を掛けたひまわりの効果の実証実験です。

秋になって効果を検証すると、思ったほど効果がないとの報告がなされ、一説によるとひまわりによる吸収でセシウムを処理するには2000年かかるとのこと、セシウムの4年ごとの半減期を考えれば実質無意味です。
また、これも一説なのですが、ウクライナの事例でもひまわりやアブラナの吸収では効果は期待できないことは推察できたが、何かやらなければ恰好がつかないため、「取り敢えずひまわりに走った」との声もあります。
原発事故は事故を想定することすらタブーだったので、対応の検討など考えるべくもありません。

その頃、と言っても4年前ですがその名残で今の時期になると「ひまわり」が目立ちます。ひまわりには何の罪もないのですが、「希望の象徴」のはずが「能天気の象徴」のようになってしまい、なんとも苦い思いで見る花になってしまいました。

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雑草の間から朝顔も顔を出します、晴天の盛夏には日中にはなりを潜める花ですが、梅雨の雨の滴り落ちる時期は日中でも可憐な花を咲かせます。

梅雨の主役、アジサイもまだまだ元気に咲き誇ります。

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最近はアジサイも品種改良か、色とりどりになりました。しかし、はやり薄紫や薄水色がアジサイらしくて梅雨空に馴染みます。

ひまわり以降の除染対策は、土などを剥がして持ち出す「物理除去」、農産物への移行抑制はカリなどを早く吸わせてセシウムを吸わせないカリ散布、ゼオライトに吸着させて移行を抑制する対応。
技術立国、科学立国にしてこの対応。再稼働の原発が福島のようになる可能性はまず低いと言っても、もう少し放射性物質の根本的なコントロールの目途が立たないうちの利用再開は、国民より目先の利益か、と言われても不思議がないように思います。

七夕も過ぎ
七夕も過ぎ、待つのは梅雨明け。例年梅雨明けと同時期に来るのが、相馬野馬追そして夏休み。

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桃の主力品種「あかつき」は例年だと、7月下旬27,28日頃から出荷が始まります。今年は春からの晴天で、約1週間くらい生育が進んでいるとのこと。となれば「あかつき」出荷も20日過ぎまで早まりますか、いくらなんでもそこまでは早くはないでしょうが、もも、なし、ぶどうと続く果実の時期が、いくぶん早く始まります。

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いつも通りがかる道路、春は桜のライトアップ、8月は提灯を吊るし季節を彩ってくれる工場があります。今の時期は工場前の駐車場に置かれたプランター。
製鋼と名が付く会社なので固いものを製造しているのでしょうが、なかなか柔軟な気配りをしてくれます。福島は9日から高校野球の県予選、夏は駆け足でやって来ます。
梅雨空の下
7月6日は風評被害の研究報告、「超学際研究機構」というNPOの主催です。超学際・NPOと聞くとなにやら「いわく有り気」に聞こえますが、れっきとした県の外郭団体。もっとも、NPOを研究していた草分けのよな研究者に言わせると、NPOと言うのは本来市民セクターであるべきで、法人格が取れると言っても安易に「行政機関が設置するのは如何なものか」と言う趣旨のことを言っていました。最近は、さらに容易に法人格を取得できる一般社団法人がずいぶん増えてきましたが。

超学際の超は、言うもでもなく女子高生が連発する「チョーかわいい」「チョーやばい」の「チョー」。なになにを超えるの「超」で学際、つまり、工学とか農学とか経営学とか従来の学問の枠を超えて存在する「課題」に関する研究をするところ。少し怪しげな(?)ネーミングにはなっていますが、大変に重要な使命を与えられた組織です。
以前jこお世話になっていた社会科学系の研究者が、このNPOの役職についていたので、何回か出入りしていたのですが、当時の事務局長は県の課長職の天下りポスト。使命が高尚な割に行政の下請け仕事、もっともそのために設立したと言われれば県OBの人材活用まで含めて、「ごもっとも」と言わざるを得ないのですが。

さて、風評被害の研究に関しては、東大1人福島大3人の研究者の調査分析の発表。丁寧に調査分析がされていますが、調査をしなくとも推察できる内容でもあり、調査の先の課題が浮き彫りになりました。もっとも調査の先は研究者の範疇ではないのですが。
発表後の質疑でも、その調査の先の対策を担う「県職員」「全農職員」の質問や意見が相次ぎましたが、毎日毎日の商品の売り買いで生計を立てる、青果市場・仲卸・スーパーマーケットのバイヤー・販売担当者の「切迫感」からは程遠く、「大丈夫かいな」と言う気がしないでもありません。

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切迫感と言えば激戦になった市議選、梅雨空の下相変らずの氏名連呼。市議選は公約、政策よりもまずは血縁、親戚の多い方が勝ちともいわれますが、定数削減もあり当選ラインも上がるのでしょうから、切迫の論戦を期待しています。

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行き交う選挙カーを見下ろすように赤い花をつけた寺の境内の大木。開山以来いろいろなドラマを見てきたのでしょうが、震災溝の人間模様はまた別格。碑によるとこのお寺さんは「曹洞宗」。となると、御本尊は釈迦如来か、「釈迦如来」と「大日如来」の違いも分かりませんが、この地の平安と繁栄を神仏にも候補者にも伏してお願いしたいものです。


雨中の決戦
震災と東電事故から4年と何か月。4年に一度の福島市議選が始まりました、つまりは震災後2度目の選挙。震災は統一地方選挙の年、福島県議選も市議選もその枠組みでしたが、とれもできる状況ではなく後ろに移動、県議選に至っては選挙区民の強制避難もあって秋まで選挙がずれ込みました。

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今回は定数削減にも拘らず立候補者数が増えた様子、正確には立候補締め切りまでわかりませんがかなりの激戦のようです。世襲や町内会・地域代表と言うより、「現状打破に力を注ぐ」タイプの候補者が増えたようで、それはそれで望まし方向のような気がします。もちろん全部の候補者を把握しているわけではありませんが。
震災時には仮にも「国会議員」だった「市議選候補者」もいて、メンツもかなぐり捨てて地域のための心意気か、背に腹は代えられない事情でもあるのか。

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「おしゃれの基本は靴」なのだそうですが、おしゃれでも靴に詳しくもないので「ワークシューズ」と仮に呼ぶとする革靴。冠婚葬祭は無理としても、仕事用のスーツでも作業着でもなんとなくはけるので割合重宝している靴。黒だとカジュアル時に重くなるので、茶か濃茶。
防水加工なので降雨の時も現場まで入っていきます、スニーカーだとそうはいきません。本格悪路や水田調査だとさすがに長靴ですが、梅雨のさなかは何かと便利。

放射能災害から4年経過しても、いまだに続く調査と技術検討。調査と言っても放射能ばかりではありません、福島産は売れない・取り扱わないと突然切れたサプライチェーン。農産物は日常的に必要なものですから、取扱者も需要者も当然代替えのルートを見つけます。その中で取引を再開して貰うためには付加価値・魅力を付加しなければなりません。調査・検討・試行錯誤、泥に紛れたワークシューズを蔭干ししながら「戦っているのは候補者だけではない」のですよ「東京電力」。
7月の表情 2
7月に入ると、今月末・来月末から収穫が始まる「果実」も何となくカタチが見えてきます。
今年は春の天候が順調で、例年より1週間から10日早い生育でしたが、収穫までそのペースかと言うと「梅雨明け次第」。早い遅いが例年付きまとう天候の下の生産活動ですが、収穫時期は何となく2.3日の差に収れんしてくるのが常で、正確な自然のの摂理とも言えます。とは言え絶対的なことでもなく、稀に(10年くらい前になりますか)梅雨が明けずに雨が続き、桃の8月初旬の収穫予定が旧盆にずれ込んだりしたこともありました。

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桃はほんのりと色付き、日増しに球が育ってきます。そこから梅雨明けを待つように赤味が増してきて糖度が向上します。葉の下に実が付くため太陽光が下からも当るよう地表にも反射シートが敷かれます。

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早生種でも、桃からひと月遅れる梨はピンポン玉程度。この梨は果実の色からすると「豊水」と言う品種、収穫は9月になってから、最低あと2か月は成長を続けます。

秋の果実でも、りんごの主力品種「ふじ」は11月末の収穫、こちらは管理作業の真っ最中。果実は言ってみれば子孫を残すための「種」ですから、花による受粉から生長してきたもの。5月の開花、受粉時から花が咲き過ぎないよう花を落とするですが、それでも付きすぎた場合は(花ですべて処理するのは難しいので)、果実を小さいうちに落とします。

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このりんご園では一面に落としたりんごの実。「摘果作業」と言いますが全部手作業です。脚立でりんごの木1本1本落として行きます。気の遠くなりそうな作業の末に、商品価値の高い「大玉ふじ」になって行きます。
7月の表情
7月に入りました。梅雨の最中です、曇天と降雨とときたま差す日差しの繰り返すでさすが、間違いなく盛夏と実りの秋に向けて季節は進んでいます。

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当初、空梅雨気味で心配された水不足も、本格的な梅雨入りで解消されてきました。農業用水も兼ねる森林公園のため池も満水です。

先月、一般農法の水田より生育が遅れている有機栽培の水田をお伝えしましたが、初期生育が遅れるのは有機栽培の特徴、あわてて追肥などせずに生育を見守ることが肝心です。

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約3週間ぶりに見ると、周囲の一般農法の水田に劣らないほど生育は回復してきました。有機稲作の特徴で葉色は淡いのですが無駄な繁茂もなくなかなか良い(稲作の目的はコメの収穫でワラを採っても仕方がありません)バランスのとれたイネの形です。
これがあと3~4週間でまた一気に育ちます。よく追肥を聞かれるのですが、まだ必要ありません、著中で分解が進む有機肥料で間に合います。

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近くの一般農法の水田、まだ現時点で生育は勝っていますがよく見ると(写真ではわかり難いでしょうか)、稲の色がが所によって斑に見えます。これは追肥の影響かと思います(ヒアリングをしてわけではないので推測です)、時期からいえばケイ酸カリか、まさかNKはまだ振らないとは思いますが。この斑も何日かで落ち着いてくるのですが。

有機水田の方は約1ヶ月後、(その頃は生育は逆転しています)実のための有機肥料を追肥します。量は「葉いもち病」の発生状況等を見ながら判断します。まずは振り過ぎないことが大切です。


山間部
阿武隈山系を移動しながら、分析を委託している大学へ送る検体採取。検体と言っても野菜ですが。
その品質に至る栽培履歴や環境も調査しないといけないので、「宅配便で送って」と言う訳にはいきません。いつも書くように、山間部に行くほど、田畑の耕作放棄が目立ちます。

忙しい思いをしているうちに今年も前半分終わりました。7月、もう七夕です。山間の小さな城下町の軒先「七夕飾り」が揺れていました。

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この町は三春町、大観光地ではありませんが春には日本三大桜「滝桜」もあって、そこそこ知られた街です。以前は城下町らしく入組んだ道路でしたが一本道のメインストリートが整備中です、さすがに坂道は解消できないようですが。

三春は戦国時代は伊達氏ともゆかりが深かった戦国大名田村氏の本拠地、田村氏は坂上田村麻呂の末裔とも称されます。
江戸時代も小藩ながら三春藩の城下町で城がありました。そして、城下町のご多分に漏れずお寺が目立ちます。

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戦国時代、離合集散を繰り返し主従関係を変えながら生まれては消えた大名や地方豪族、その時代の城跡もいくつか残ります。今は二本松にしなったその時代の城跡、神社になって形をとどめます。城と言っても天守閣などあろうはずもなく、急峻高台に館がある砦のようなもの。二本松城主の畠山氏の出城で伊達氏の攻撃で落城しました、独眼竜正宗の父輝宗がだまし討ちに会い拉致された場所であることでも知られます。

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NHKの大河ドラマで歴代最高視聴率を誇る「独眼竜正宗」。主役の正宗に最近ミュージカル「王様と私」で好評を博した渡辺謙、父の伊達輝宗役がソフトバンクお父さん犬の北大路欣也。そこからも既に四半世紀以上、時の経つ速さに驚いています。