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秋日和
昨日さるチェーンストアに所用で行ったら、担当者から「店にいるのがもったいない」と言う言葉が漏れるほどの晴天。
さらに今日も朝からぬけるような青空。実は明日から実家の方のお祭り、いつも話題にしている[福島稲荷神社」「集落の小さな祠」の祭礼ではなく、実際若衆(?)として山車を曳く役割です。

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秋の移動性高気圧、2日の晴天の後の天気は下り坂とはなりそうですが、なんとか持ってもらいたいもの。実家(と言っても私が当主ですが)の周辺でも高齢者が多く、昨今では青息吐息の祭礼運営になっています。

東電の原発事故現場では、「1号機燃料の取り出しに遅れ、廃炉工程見直し」と言う報道。調査の名目で事故現場に立ち入ったある自治体関係者によると「2号機が最も溶融貫通の可能性が高いのでは」とのことでしたので、収束へは先の長い話になります。何かにつけてこのような話題が出ると、また風評が再燃します。

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秋日和、山車祭りとのんびりした話題どころではないのですが、我が家の庭や生垣も「秋色満載」になりました。朝の陽ざしを受けて「赤色」を競っています。

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晩秋の風情
10月も月末になると晩秋の香りが漂ってきます。29日に吾妻山に初冠雪、新聞によると昨年より12日遅いとのこと。10月下旬が普通なので、平年並みと言う事でしょうか。

麓では梨の収穫はほとんど終わり、樹上に残っているのは最晩生品種、これらの品種は年末にかけて出荷され来年の春先まで食味が保たれます。

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秋の日差しを浴びて「黄金」に輝きます。梨と言えば思い出すのが3年前の原発事故当年、福島産梨が関東市場で嫌われ関西に流出して鳥取産梨と競合、鳥取産が市場にだぶついて値崩れを起し「騒動」になったこと。

このような最晩生の大型梨は、青果市場と言うよりも愛好者向けに特別に販売するこだわり品、ギフトなどにも使われます。ですから、原発事故以来は販売不振で「梨の木を切る」べきか園主は悩んでいます。かと言って共同選果から市場に流れる「幸水」「新高」等の主力品種も値が取れず、JAと東電の交渉も遅々として進まず、離農が進むばかりです。
定点的に放射能災害後の福島を取材しているアメリカの撮影クルーは「暴動が起きないのが不思議」と言っていました。

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逆にこれから旬を迎えるのが、りんごの主力品種「ふじ」。青森産より早く花が咲き遅く収穫するので、光合成の時間が長く果実に果蜜汁が入るのがこの産地の特徴です。しかし、気温の成果青森産ほど表面が赤くなりません。「真っ赤なりんご」度では青森産に分があります。しかし、十分陽を当てて着色を進めようと「たま回し」と言う作業に余念がありません。

リンゴは桃より日持ちがするので、JA出荷に頼らず「こだわり品」で直売の比率が高くなります。震災前の顧客は、いわゆる風評被害で戻らず、支援需要も3年たつと息切れ気味。苦悩と一緒に秋も深まります。


知事選挙の結果
福島県知事選挙が終わりました。「選挙運動」も盛り上がらず、当日の投票所も閑散としていて、よく出入りする期日前投票の会場になっているビルでは、出口調査の新聞記者だけが目立つ逆転現象でした。

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投票率も上がらず、各党相乗りの副知事経験者が「昇格」と言う結果にいろいろな評論が出ています。「福島県民は急な変化を求めなかった」とか「与野党相乗りで選択肢がなかった」などと言われます。

変化を求めなかった、と言うのも妙な言い方で、変化の先のイメージを明確にいえる候補がいなかったということでしょう。逆に言えば原発事故後の非常事態が続いていて、将来のビジョンと言うよりも、加害者国・東電との交渉人人選で「慣れた役人上がり」ということになったのでしょうか。

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いたるところで除染中、目先の交渉事が多すぎます。将来的な県民の健康管理を訴えた第2位の熊坂候補は行政経験のある医師ですが、かえって弁護士の方が現在の福島の現状に即していたのかもしれません。
正直熊坂さんはもう少し内堀さんに肉薄するかと思ったのですが、福島市出身とは言え永年岩手で医師や政治活動をしていたことが、パラシュート候補とみられたのかもしれません。

実際震災後突然福島にやって来て、「私にはこのような経験がある」「長年このような活動をしていた」と、自己満足や売名さては物品販売にまでいそしんでいた、自称知識人・研究者・文化人・事業家等々を見てきたので、県外の医師と言う肩書に違和感があったのかもしれません。

今度に知事選挙で県民は明確な意思表示をしなかったのではないかといられますが、良くも悪くも「強烈な意思表示」であったと私は見ます。

福島の木
福島県の木は「欅」(けやjき)です。ニレ科ケヤキ属の高木落葉樹、仙台のケヤキ並木は有名ですが、この地方は建築材としても馴染みがあります。

かつて、欅御殿と言えば贅を尽くした住宅の代名詞のようなもの。杉や檜のような柔らかい加工しやすい材質ではなく、固く狂いやすい材質、製材や大工の腕が試されます。狂いやすいというのは柱や板になっても、反ったり捻じれたりすること、ただし組んでから反れば外れ難くなります。最近のように接着剤や金具を多用する工法には馴染みませんが。

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街路樹のケヤキも紅葉が進んできました、これから黄色が赤に変わってきます。
先日仕事の打ち合わせで東京から来た知人の話。年内に現在の職場を辞して、故郷四国に帰るのだそうです。現在の仕事に遣り甲斐や魅力を感じるものの、四国の高齢の両親が自営業を続けていることを見かねて、故郷に帰って後を継ぐのだそうです。

実家は卸売業なのですが、林業の衰退が地域経済の低下を招いているそうです。[林業を何とかせねば」から故郷での仕事が始まるようです。

林業=建築材ではありませんが、何にしても新たな着眼がないと衰退は止まりません。グローバル化と地域アイディンティティ、何にしても共通する地方創生の課題です。

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四国ですらそうなので、原子力災害を抱えた福島の苦悩も推して知るべし・・・と言うところでしょうか。福島市の郊外に建設中の看板を見つけました「飯館村子育てセンター」、緑豊かな飯館村を追われ2年で戻ると言いながら、いまだ帰還の目途すら立ちません。子育てセンターを村外に作るのは「戻らない」いや「戻れない」と言う意思表示なのか。
中間貯蔵施設ばかりではなく、苦悩の選択が渦巻く福島です。以前「金目」で解決を言った大臣が居ましたが、そこから見れば「うちわ」や「秘書の1万8千円のSMクラブ」など、まだ可愛いものです。

東北中央自動車道
相馬から将来的には秋田まで伸びるのだそうですが、福島・相馬間、福島・米沢間で工事が進んでいます。

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良く晴れた今週末、所用で米沢まで。福島~米沢間は「栗子峠」があり、国道13号線はトンネルの連続です。このトンネルが開通するまでは、福島や山形の県令を務め圧政で「鬼県令」とも呼ばれた三島通庸が作らせた山道があって、山肌を縫う様な自動車の通行にはとても危険な道路だったようです。

県境の紅葉がそろそろ見頃、青空と常緑樹の緑、広葉樹の黄色と赤のコントラストが鮮やかです。

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この国道13号線のさらに上に新しい高速道路を建設中、高架とトンネルの連続のようです。
このような土木工事を見ると「環境破壊」「経済効率」「財制赤字」と、いろいろなことが頭を過りますが、しかしどうもテレビアニメの「鉄腕アトム」を見て育った世代は、「空に伸びるような高速道路」や「山を貫くハイウェイ」に弱くて、このような建設現場を見るとわくわくしてきます。経済が右肩上がりだったころの残照でしょうか。

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アトムはその名の通り「原子の子」、その原子力に痛い目にあわされている福島ですが、新しい未来も確保しなければなりません。
この道路、特に(従来利用価値が高いとは見られなかった)福島・相馬間の工事を急ぐのは廃棄物処分場のアクセス確保と言われています。
それはともかく、青空に届くようなハイウェイの開通を心待ちにしましょう。もっとも土木工事だけで「福島再生」はなりませんが。
小さな復旧
村のお社、先に書いた「稲荷神社」ではなく今度は「愛宕神社」。愛宕神社はどのような神様を祀るのかも分かりませんが30軒ばかりの集落で2つの神社を祀って、それ以外に(旧)村社の祭礼も行うので昔から信心深いところなのでしょう。
もっとも、昔はお祭りくらいしか娯楽がなかったのか。しかし、未だに春夏の祭礼は欠かしません。今日がその秋のお祭りの日。

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桜の木に囲まれた石の鳥居をくぐり、急な坂を上りきると1対の石灯籠があります。刻まれた文字を見ると「文政四巳」と読めます。文政四年は巳年だったのでしょう、異国船打払令が文政8年ですので、幕末とは言えないまでも江戸の後期、維新の50年前です。

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200年の風雪に耐えた苔むした灯篭が先の震災で上の部分が落ちて割れました。現在では建築材としては需要が殆どない「赤さき石」を、特に切り出しての加工・据え付けで、再建まで3年以上かかったようです。
費用の工面はともかく、苦労の跡が見て取れます。

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宮司のいる神社は周辺でも数えるほどですが、ここへは年1度はやってきて祝詞をあげます。宮司の上山に合わせて氏子も集まり、玉串を供えて「二礼二拍手一礼」で家内安全を願います。ささやかな祈りですが、福島の秋の例大祭の出店が並び、見世物小屋と山車の行列とは違った趣があります。
これもそれも日本の「まつり」。しかし、この小さな社をあと何年守れるか、さびしい話題がいつもの通り祭りを締めくくります。


2度目の台風一過
今月二度目の台風が通り過ぎました。秋の例大祭を待って、その夜通り過ぎたもの。気が利くという、かそれにしても迷惑と言うか。

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台風一過の秋空に季節の果実が揺れています。正直雨よりも心配したのが「強風」でしたが、大きな被害も見当たらず、なんとかやり過ごせたようです。

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もっとも、「大量に落果した」という事がなかっただけで、果実同士や枝が当たって傷がつくとか、台風を見通して早く収穫したために糖度が足りないとか、「全く関係ない」と言い切れないところがまた厳しいところです。

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これは平核無柿「ひらたねなしかき」と呼びます。庄内柿、おけさ柿と各地方によって呼び名が違いますが、脱渋(アルコールなどで渋みを抜くこと)処理で生でも食べられることから各地で栽培されます。

むろん福島では「あんぽ柿」の主要原料ですが、原子力災害により今年も加工制限が掛かりました。
核利用の原子力発電の事故で「核が無い」と書く農産品種が大打撃を受けるという逸話は、全く「洒落」にもなりません。
将来出荷を再開しても、「マーケットが残っているか」と農家の苦悩は尽きません。日常的に多量に食べるものではない、いわば「嗜好品」。今後の再開、販売対策が肝要です。

もっとも当の東電は、台風に伴う大雨の影響とで汲み上げ井戸の放射線濃度が過去最高と、それどころではない様子。ただ海洋への流出はない模様との発表、そんなことはないだろうと思いつつ、そちらも「ご安全に」。


秋祭りに見るまだら模様
3連休は福島市、稲荷神社の秋の例大祭。各町内の屋台も出揃い、除染の不満もなんのその例年通り賑やかに開催されました。
震災前=原発事故前から見ると、駅周辺では以前の活気は無いようにも思えますが、さすがに数百メートル離れた神社周辺は賑やかです。

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県庁に続く道路では露店が並んで、台風を気にしながらも結構な人出。落ちてきそうな雨に備えて商品にビニールを掛けていました。

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境内ではお決まりの「見世物小屋」、福島ではもっと怖いものを見てしまったというか、それに絡んでくる「商魂」も充分見たのでので、今さらの作り物などは流行らぬかと思いきややはり大人の思惑など関係ない、子供たちには人気のようです。

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こちらは神社から見て県庁の反対側、信夫山方面。非日常の「お祭り」から連休明けと台風一過とともに日常の世界へ。
何かと深刻な問題が横たわる、復興・復旧の仕事が山積です。

嵐の前の秋の福島
雲にひとつない晴天です。先週の台風18号に続く19号が列島に近づいているとのこと、何やら気掛かりな連休初日ですが、とりあえず福島は晴天、。そして、これから福島稲荷神社の秋の例大祭。一昨日あたりからに内で市露天設営とかが始まりました。
向こうでも人が集まっていると見ると、知事選の有力候補の「第一声」各党相乗りで、各党の推薦は受けないという何とも奇妙な体制です。最後の押しかけ「支持」が、争点も何も吹き飛ばしてしまいました。当選後の新知事もやり易いのか難いのか。

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毎月11日は、大震災から「何年何月」と、祥月命日よろしく地元メディアは特集を組みます。今回は季節に合わせて復活をもくろむ「あんぽ柿」の話題など。

昨日も大学の研究者と「風評被害」についての、傾向の変化や今後の対応等、意見・情報交換をしていたのですが、今日のブログは「秋の青空の話題」にしましょう。どうも被害と苦境の話だと気が滅入るばかりになるので。

もっとも、津波や地震の話は、3月11日が記憶の起点になりますが、原発事故は12から14日にかけて起きた、電源喪失後のメルトダウンや水蒸気爆発が放射性物質拡散の原因になります。これは震災とは別のいわば人災なので大雑把に括らない、細かな検証と個別的な把握が必要です


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御嶽山の噴火は記憶に新しいところですが、今日の吾妻山は青空の下、至って平穏です。初冠雪は例年20日過ぎ、あと半月後でしょうか。
写真左が「吾妻小富士」右が「一切経」、一切経からは時折噴煙が見えるのですが、今日は見えません。この火山の麓には土湯、高湯などの温泉郷。御嶽山の噴火は他人ごとではありません、もっとも原発事故に連なる被害の連鎖に「何があっても驚かない」との開き直りもあるかも知れませんが。

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こちらが「安達太良山」、写真中央の稜線の突起が「乳頭山」。福島盆地から撮ると、望遠にしても相当長くなるので、秋の澄んだな空気でも、なんとなく春の景色のように霞んでしまうのが残念です。
こちらの岳温泉などの温泉があります。地域イメージのランキングが発表になりました。北海道、京都などが相変わらず強く関東の茨城、群馬などが低いようです。さて、隣接する福島は?

GODZLLAとB級グルメ
先日近隣の人口1万2千人の町で、メインストリートを封鎖して3万人の来客を呼び込むというイベントがありました。
地域の復興活性化を目指したイベントで、地元の若手経営者らが企画したもの。そういえば、遥か四半世紀前に、私もそのようなイベントに参加していた経緯もあって、知り合いも「一肌脱ぐ」ということなので、少し顔を出させていただきました。

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あいにく午後から雨で午前中までの人出はありませんでしたが、町内いたるところに露店や分散のイベントがあり、工夫と苦労の後は見てとれました。「もう少しコンパクトに」とか「テーマを絞って」とかの評論はいくらでもできますが、とりあえず町民一丸と言うコンセプトが大事で、それなりの成果はあったのではないかと思います。

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私の血気盛りの四半世紀前は、全国津々浦々「特産品の開発」ということで「漬物列島」などと揶揄されていたころですが、いまで言う「六次化」のようなもの。
昨今は、地域活性と言うと「B級グルメ」と「ゆるキャラ」が流行のようです。それはそれで手軽で分かりやすいのですが、もうひと工夫と言う気がしないでもありません。

その四半世紀前は「大河とラマ便乗型」というか、いまだに大河ドラマの最高視聴率を誇る「独眼竜正宗」のあやかりイベントと、そのころは開通した第3セクターの鉄道の効果を地域振興につなげようと言うものでした。

「独眼竜正宗」は、当時まだほとんど無名の「渡辺謙」が主演。昨年は第3セクターの鉄道がらみで朝ドラ「あまちゃん」の三陸鉄道がクローズアップになり、続く「ごちそうさん」ではその渡辺謙の子供「杏」が主演と、時は流れたという感慨とその時代にしては先端的なことをしていた、という自負を感じていました。

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ほとんど無名だった若手俳優渡辺謙も、そのご白血病や杏の実母との離婚など辛酸がありながらいまやハリウッドでも称賛される日本を代表するアクターです。先般の「GOZILLA」の出来はともかく(笑)、私もかつて独眼竜の鎧・兜を身にまとったので、なんとなく親近感は勝手ながら未だに持っています。

国にも金がないので(と言うより借金だらけなので)「地方のことは地方で何とかせよ」、なることを「地方創生」と全く上手い表現をしました。
いつまでもB級グルメとゆるキャラにばかり頼ってはいられません。
台風一過
東海、関東に甚大な被害をもたらした台風も、東北地方は軽微な被害、小中高の臨時休校はありましたが大きな混乱はありませんでした。

2月の豪雪、広島の土砂災害と御嶽山の噴火、今回の台風と自然の脅威はまたとても克服できません。

先ごろ柘榴(ざくろ)の写真を載せました。 柘榴=秋のイメージがなくて、今更ながら「熟した木の実だから秋だよね」と認識した次第。

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その気になってきれば意外な果実を見つかります。「いちじく」晩秋にかけて熟して食べ頃になります、もっとも現在は生では食べずに加工用でしょうが。
放射能災害で、めっきり山にも入らなくなりました。自生する「あけび」もこれからです。

放射能災害と言えば、加工自粛や全品検査が続く「あんぽ柿」。事故以前であれば10月末から収穫が始まります。この柿は「蜂屋」大ぶりで先が尖っているのが特徴、これは通常11月になってからの収穫で、福島の「あんぽ」といえばやはり大ぶりのこの「蜂屋」が代名詞になります。

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台風一過の青空の下、幸い今回は強風も吹かず「難を免れた」柿の木ですが、「干すことによる果実重量の減少=放射性物質の濃縮のリスク」加工できない事情を知るだけに何もと切ないオレンジ色です。秋の深まりとともに柿の葉が落葉し、柿のオレンジ色が鮮やかさを増します。
農家の冬場の現金収入を支えた「産品」は衰退は、金額以上に地域経済にダメージを及ぼします。米価の低迷もあってやりきれない収穫の秋です。何か知恵を絞って、また頑張りましょう。

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ススキの東北本線いつもの時間に、電車が通り過ぎます。「背負子(しょいこ)」と称して東北線で「あんぽ柿」や「季節の産物」を行商して特産品を育ててきた昭和期の農民。そのバイタリティを忘れるわけにはいきません。

収穫祭
福島市の家庭菜園を楽しむグループの収穫祭が行われました。近づく台風を気にしながら、予定を繰り上げての大急ぎの準備、芋ほりや枝豆の収穫からです。

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今年は郡山市の市民グループも駆けつけて「任意組織の急ごしらえ」にしては盛況です。プロの農家集団とはまた違った「疑問・質問」それなりに高度なことも聞いて来ます。

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農具に関する「こだわり」や「うんちく」、最近はホームセンターが工夫したものを安価で販売するようになり、そのあたりの情報交換も盛んです。

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福島市の郊外、交通手段は自動車しかなく一般の芋煮会のように、ビールと酎ハイと言う訳にはいきませんが。和気あいあいと食事が進みます。

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有機栽培のおいしさを堪能しながら、「落ちてくる雨」を気にしつつの食事で、ある意味何ともスリリングな展開です。

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どうしても企業や教員の定年退職者が多い傾向は否めませんが、農業志向の若者、食の安心に興味のある若夫婦などもいて連れてきた2歳児が平均年齢を引き下げてくれます。

放射能のリスクは「割り切ります」を言う見解です。逆に息子夫婦の帰郷を待つ夫婦が、震災を機に息子夫婦が東京近郊に永住することになり、福島を離れて息子夫婦と同居する道を選ぶ話もありました。
何気中会話の中でも、まだまだ災害の影を落としています。

柘榴の実
数日前にお伺いした農家さんで,柘榴(ざくろ)の木を見つけました。

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割れて、「赤い種が露わ」になっているところまでは行きませんが、秋の陽を受けて赤い色が良く目立ちます。「ざくろ」は秋だったのかと思います。
5日付けの日経新聞の最後のページ、文化欄に久野和洋画伯のザクロの絵が載っていました。全国的に10月上旬を代表する木の実であることを実感しました。

こちらは地方紙福島民友の1面、県知事選の特集記事でリードが「県産品不安根強く」。先の消費者庁「原発事故にともなう風評被害の意識調査」で、「福島県産品の購入をためらう」が半年前の調査より4.3ポイント増えて約2割に達したとこのと。
知事候補者は口をそろえて風評被害払拭に「秘策」あり、と言っています。しかし、いわゆる「風評被害」の前線に居る当方の立場としては、県外マーケットで言えば、2割など度と言う数字は実感からは程遠く逆に8割か、高齢者など2割程度の支持層がいて、後の需要は「安ければどこでも」層が支えている感じでしょうか。

知事候補者は「風評被害対策に秘策あり」と言っていますが、そう言わざるを得ないのが候補者の立場で、何につけ「秘策」が「秘策」であったためしがありません。
過去の隠蔽や失敗の検証、信頼のおける第3者機関による実情の公開と客観的な今後の見通し、過失に対する懲罰と再発防止。このような事粛々と「世代単位」はともかく「10年単位」を視野で行っていかないと、とても収まるものではありません。

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仮設にも秋風が、そして木枯らしが吹けば4度目の冬。望郷の念と帰還後の生活の困難、入り乱れてすごす秋の風景です。



「食べて応援」と言う勘違い
収穫の秋もたけなわ、春の山菜、秋のきのこが壊滅状態の福島中・浜通りでも、水田や秋野菜の収穫時期です。

いわゆる「風評被害」対策として・中央官庁の音頭取りで「食べて応援」のキャンペーンが見受けられます。
しかし原発事故から、3年半以上一過性の対策ばかりを講じていてもしょうがない時期です。何日か前にも書きましたが食の安心は受け取る側の「主観」、検査結果などの科学的な情報に伝達手段・情報の信頼性で初めて消費構造上の「安心感」につながるわけで、そのプロセスを踏まず、食べて応援と言う「現実的な需要」を求めても、あくまでも「その場限り」。

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どう考えてもダダ漏れの汚染水を「コントロールされている」と言い張る政府。地下水バイパスを経由した事故現場に流入前の地下水は検査の上で海洋放出という事になりました。今度は東電は放射性物質除去後の汚染水も排出させろという話。その渦中でも除去装置「ALPS」の一系統がトラブルとのこと。

「海洋放出」の許可を地元の漁協関係者に取りつける、と言う論理も「太平洋は地元漁民のものか」ということになりますが、まずは深刻なのが「地元魚介類への風評被害」というのが東電と漁協側の意向のようです。

対応として排水時の放射線量を測定して流す、試験操業で魚介類の放射線量を測定する、水揚げされた水産物のモニタリングを行う。という事なのですが、測定・モニタリング結果と言う(化学的と言われる)客観情報よりも、一般的な消費者は「コントロールされているという政府」「安全確保に対するハードルを下げ続ける東電」「がれき処理時に飛散した放射能の事実を未確認の事項として約10ヵ月間伏せていた農水省・東電」等々、一般的な国民が知りうる情報は「情報の信頼性」に「?」がつくものばかり。

都合の悪いことは「隠匿」と言わないまでも「後出し」する体質・体制を以て、「安全情報を出しますので私たちを信じて安心してください」といわれても、「詐欺師が自らを詐欺師と名乗るか」と言うのが一般的な国民の心情。
ここの構造的な不信の連鎖を壊さないかぎり、「風評被害払拭」など絵に描いたモチ。

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飯坂温泉の通称[けんか祭り」も近づいて来ました。本来秋祭りは秋の採り入れを祝うためのもの。場所柄「観光的な要素」になるのはやむを得ませんが、観光面での風評被害も深刻ですが「食の安心」はもっと構造的なもの。

国・東電 VS 県・県民という対立構造かと思えば、県のトップになろうという知事候補者に与野党相乗り、あげくに「放射能の拡散データを握りつぶして家族は逃がした」との怪情報も流れるに至り、ただただ戸惑うばかりです。
被災地の10月
10月です、風もひんやりして来ました。しかし、なかなか「さわやか」と言う気分になれない被災地です。

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秋空を背景に、風にそよぐコスモスもいつも紹介しているように秋の風景にすっかり溶け込んでいますが、ところ変われば何とも物悲しく見えてきます。

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「仮設住宅」のコスモス、なんとか生活に潤いをとの目的で植栽したのでしょうが、震災から3年半はもはや仮設と言う概念から逸脱しています。急ごしらえのプレハブと簡易的なな舗装、さら地のの表面を削ってまたは盛り土して、急ごしらえで長くても2年でお役御免の仮設住宅に「緑の植栽」が生い茂っています。

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これも以前から書いていますが、刈取り前の水田も荒れています。コメの減収や技術的な問題よりも、「作り手の心が荒れている」、または「心が荒れる環境である」、という事でしょうか。
このあたりのメンタリティは、文章で言い表す自信がないので避けますが、やはり「いろいろな荒廃」が進む被災地です。

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たまたま、隣に止まった給食搬送車両のペイントがなんとも長閑な風情です。しかし、本来はそうあるべき、ここの市も先の市長選の公約違反を問う声が出てきました。「もっとしっかり除染しろ」と言う声、に委託のアドバイザーはこれ以上の除染は費用の無駄遣い、心配するレベルではないという事です。
善悪ではなく、見解の相違。民主主義の支払うべきコストなのかもしれません。