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中間貯蔵施設
報道によると中間貯蔵施設建設の受け入れを県が容認するとのことです。先日候補地の双葉、大熊両町長もある程度評価していた国の建設計画を、県も苦渋の選択として受け入れを表明する模様。
これを現職知事は花道にして引退、そして選挙戦。これで、除染も加速度的に進むという報道もあり、候補地の住民は「土地所有者の了解抜きに町・県が勝手に表明した、順序が逆」とまた怒りをあらわにしています。

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今日も農家に伺く道々で、いろいろな除染作業を見受けました。また、ある自治体では「手抜き除染が発覚」とのこと、目に見えない物の除去なのでまったく取り扱いが大変です。

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施設を受け入れてくれたところには、相当額の交付金が下りるようで「それによって町の再興」という青写真になっていますが、目論見いや計画通り進むかどうか。
被害者、避難者になられた地元の皆様には酷な言い方ですが、発電所によって得られる交付金によって地域振興を図ろうとして事故に遇ってしまったのに、さらに交付金を頼りに街づくりをするのか。と言うことになってしまいます、もっともことここに至っては「他にどんな手がある」と言われてしまうと「返す言葉はない」のですが。

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そして、途中で青果市場の関係者に会いました。久しぶりで会ったのですが、関連会社の社長とのこと。やがで本体の社長になるのでしょうが「原発事故以後」の話に及ぶと、「事故以前」「事故以後」を比較することは全くナンセンスだと言います。除染がどれだけ進もうが、放射能モニタリング検査を使用が、福島の(もっと広域化かしてませんが)農家の受けた精神的な打撃は想像を絶するほど大きく「作る意欲」が低下しているとのこと。生きがいやプライドとして生産したものが「迷惑品」扱いになってしまったのでそれも当然でしょう。

避難者、土地を奪われしもの、福島県沖を漁場とする漁民、被害者を特定するのではなく、極めて大勢の人たちが被害を受けているという現実は事故以後少しも変わりません。
地元も「手抜き除染」などとんでもない話で、要るお金は要る、無駄なお金は要らない。このスタンスで頑張りましょう。

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自殺との因果関係
昨日川俣町山木屋の避難区域での自殺について原発事故との因果関係があるとして、東電に賠償命令が下されました。もっとも福島地裁の判決なので、さらに被告側が上級審に上告すれば結論は先と言うことですが。
ちょっと言葉に言えないような凄惨な自死なので、詳細は報道に任せますが、因果関係が認められたと言っても「よかったですね」とも言えることではありません。

伊達郡川俣町山木屋地区は、もともと安達郡(現二本松市)に属し、伊達とも安達とも相馬ともつかないような位置関係の高原地帯で、相馬市の玉野や相馬郡飯館村と近いような地形です。と言っても、この形容ではこの近隣の人でないとわからないのでしょうが。要は「交通の便はあまり良くないが、行ってみると良いところ」というところです。険しい山もない高原地帯で、田畑の他畜産も盛んです。
そんなところで養鶏場に務めながら、のんびり(かどうか知りませんが)暮らしていたある日、遥か彼方の原子力発電所で事故があったので逃げろと言われて、家も仕事も失って将来のことも分からないなかで、3か月後に命を絶つことに他の明確な自殺理由を探すことの方が困難だろうとおもいます。

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いま福島では、「物置のピアノ」という映画が先行上映されていて、これはよく当ブログで書かせていただいている伊達郡桑折町が舞台になっています。
映画の制作や興業のことはよくわかりませんが、キャストからしてインデーズではないようですが、封切近くになるとやたら出演者がバラエティや情報番組に出演し、結構露骨に宣伝をしていることでもないので、今後どこで上映されるのか(されないのか)も分かりません。主演の新人女優が芳根京子と言って、話題の朝ドラで仲間由紀恵の娘役で出るそうなので、そちらの方から話題になるかも知れません。

「物置のピアノ」は風評被害に悩む桃農家の話で、浪江から避難して桑折の仮設住宅に住む鬱状態の中年男性を佐野史郎が好演していました。

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やはり、大型スクリーンに見知った風景や見知った町や顔が出てくると、フィクションと現実が混ざり合うような感覚になってきます。

何年か前に広島県の商工会連合会に他分野からの農業進出についての講演を依頼され、地元の事業者の方ともいろいろお話をさせて頂いたこともあり、昨今の広島市の土砂災害も注視していてます。さらに先の震災の津波被害の仮設住宅もそれはそれで大変なのでしょうが、自殺者が年々増えるという福島の震災以来の現象は、自然災害とはやはり一線を画す事態だと思います。

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東電も一応上場会社として存続しているので、裁判もせずに賠償金を支払ったとなると株主訴訟等のリスクもあり、裁判、裁判となると因果関係を否定する法廷戦術で、「違う理由で勝手に死んだ」と神も恐れぬような主張をする羽目になるのでしょうが、いくら法律上可能だとしてもこの状況からすると「そうまでして誤魔化して、存続を図りたいのか」と言う気になってきます。Nステでも古館伊知郎キャスターが相当怒っていました。

福島県の知事選挙も、一転なかなか華々しい選挙になりそうです。稀代のヒール東京電力を見事叩いた方が勝ち、そのような情勢です。


八朔一日(はっさくついたち)
八朔とは旧暦で8月1日のこと、今年は新暦で8月25日でした。
集落の小さな祠「稲荷神社」の縁日になります。現在この社のお祭りは春の初午と「八朔一日」、調べると八朔とは旧暦の8月1日とあり、さらに1日と付ける風習はよくわかりません。地域によっていろいろ呼び方や解釈に差異があるのでしょう。

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緑豊かなというより、押し寄せる樹木に押しつぶされそうな祠にも幕を張り前日周囲の草を刈り、氏子が交代で詰めます。
専業農家はほぼ皆無で、サラリーマンの有給休暇、自営業者のやりくりで何とか「祭り」の形態をとどめています。

新暦で8月後半から9月の彼岸前に当たるのだそうで、稲作の作柄に重要な時期。この時期になるともう収穫を待つころなので台風などに見舞われないよう、神に祈る心境だったのかもしれません。

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福島北部の伊達地方、その名のごとく「伊達家発祥の地」。文化もむしろ宮城県に近くこの地方の祝い唄は「さんさ時雨」。しかしどういう訳か、盆歌は伊達氏のライバル相馬氏の相馬民謡になります。「道の小草にも米が生るよ」とやたら景気のよう囃子ですが、米が生るのが目出度いのか目出度くないのかよくわからない昨今。

昨年の今頃、福島原発のがれき撤去にともなって飛散したと思われるセシウムによるコメの汚染。発覚したのが約10ヶ月後で、いまだに原因究明には至らず、調査も長期化するとの報道。
セシウムなどはやたら存在するものではなく、事故当初のものか、がれき撤去時の飛散か、それともその他の要因なのかが確定できないというもののようですが、科学的根拠として特定できないとは言うものの、いわゆる風評被害に拍車をかけていることは事実で、狂言回ししが明確だった「美味しんぼ」などよりも深刻な事態であることは確かです。
無農薬野菜を食べる会 2
盛況で終了した「田村の無農薬野菜を食べる会」、食事終了後も何軒か菜園も見せていただきました。

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一応、技術指導をした方が「褒める」のも手前味噌なのですが、みなさん「見事な野菜」を収穫しています。
田村市を中心に小野町・三春町の田村郡で構成する田村地域、福島県中央部の農業地帯なのですが、ご多分に漏れず高齢化、過疎と遊休農地。さらに従来から葉タバコの産地でそちらの落ち込みも深刻です。

「6次化の推進」農産物は加工して付加価値を上げて商品化しましょうと、国や県の施策もあるのですが、いわゆる農業の6次産業化は全国的な課題と方向性。

放射能問題、特にいわゆる風評被害が影を落とす福島県内にとって、全国一律の6次化推進には重い重いハンデを負って参加するようなもの。
ですから、同じようなものを同じように加工するだけでは実を結びません。元気をなくしている農業関係者もに大きなメッセージになった「無農薬野菜を食べる会」です。

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菜園を見に行った際に足を延ばして隣接する全村避難の村(双葉郡葛尾村)にも行きました。先日飯舘村でも見たように4年目の荒れた農地と除染と言う名の清掃作業によって割とこぎれいな民家。
人が住んでいないのと広大な遊休地があるために、各所に設置された「仮置き場」。道沿いの墓地は旧盆が済んだばかりで、墓参の後の萎れた生花がなまなましさを増していました。
友人が局長を務めていた「郵便局」も人気がない以外、何も変わらず佇んでいます。


無農薬野菜を食べる会
昨日、田村で「無農薬野菜を食べる会」が開かれました。主催はソロプチミスト田村、ソロプチミストとはニーヨークに本部がある女性団体としては唯一国連に諮問資格を持つ、と大仰な紹介はさておき、要は地元の名士のご婦人たちが企画したイベントです。

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田村郡三春町のホテルで開催されたイベントは、放射能の影響を恐れ地元の農産物を食べなくなった、特に子供を持つ親に
「地元産の安心で新鮮な農産物の料理を食べてもらおう」と言うのが開催趣旨。

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ソロプチミスとの会員やその関係者に、有機栽培用の制裁資材を提供し技術指導を行って、家庭菜園なり栽培の規模に従って各自野菜等を育てて、さらに当日に合わせて料理して持ち込むというもの。

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昨年は実証圃場を作って会員共同で栽培したものを、今年は各自の栽培になりましたが、昨年より私が技術体系の構築と技術指導をしていたご縁で今回もご招待にあずかりました。

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今年は、春先の大雪と低温で作付が遅れ、さらに夏の異常高温と集中豪雨、一転天候不順とこのところの残暑。ところが悪条件をものともせず大豊作で品質も良く、大勢の親子連れがおいしさを堪能しました。
この後、栽培した菜園なども見てきました。そのことはまた後日に。


さらに秋の気配
甲子園は福島県代表聖光学院高校がベストエイトで敗退。例年に比べ前評判は高くなかったので、まずまずの健闘。新チームに期待しましょう。毎年これが終わると夏が終わったような気になります。

イネの出穂をお伝えしてから約十日、稲穂もすいぶんと穂らしく練ってきました。

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「実るほど」の格言通り頭を下げてきました、ちょっと不稔籾が見受けられます。高温と低温が入れ替わってきた気象の影響でしょうか。

凍結による汚染水対策は実らなかったようです、あちらは開き直りか頭を垂れるそぶりもありません。そのうち時機を見て「頭垂れ要員」の担当役員が遺憾の意の記者会見を行うのでしょう。

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まとわりつくような暑さは相変らずですが、空の色は何となく秋の様相です。ドコモのタワー越しに見上げると真夏の「青さ」と違う「青さ」です。
入道雲もイワシ雲に代わって行きます。さすがに紅葉はまだまだ先ですが、桜は下の枝がら葉が黄色くなりました。
実りの秋はもうそこです。
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北海道に向けた梨の「幸水」は本日送りです。今年も、試練の風評被害の中の販売活動です。
旧盆明け
旧盆の休み明けから数日経つと、さすがに仕事のペースが戻ってきます。農業生産の現場は、盆も正月もなく、正月はともかく盆については店舗も飲食も通常通り、いや通常より繁忙している期間なので、もともと「休む」と言うことができません。

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青果市場は、3日間しっかり休市です。青果市場は(魚類や花卉も一緒ですが)公設市場、中央市場は農水省、地方市場は都道府県の許認可の下に置かれるので、行政の方針に逆らえません。行政も労働者保護の大前提があるので定休日は確保になければならず、何とも需給とのミスマッチが起こります。

広島では短時間の豪雨による土砂災害があり、「何年も住んでいるのに」と言うのは安心材料にはならないようで時間帯もあって大惨事になりました。東北南部は、猛暑、雨、低温と目まぐるしい夏ですがおかげさまでも豊作型、西日本の気象災害によって野菜が高値になるという、震災のあった23年のような構図です。

もっとも風評被害は相変わらず深刻で、福島産の差別化戦略は打ち出しにくい状況に変わりはありません。TOKIOのCMも東京では盛んに流れますが、「かえって勘ぐられる」というのが都内青果業者の見立て、「そんなことより水止めろよ」と言われて終わります。

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桃も最終盤が近づき「川中島白桃」へ。梨の話題も聞かれます、また例年のペースで生産流通が動いています。しかし、大きく狂った歯車は容易に戻りません。


二本の道路
猛暑の後は豪雨と低温、そしてまた暑さ。目まぐるしい夏の気象で露地野菜の管理が大変です。
今日も善後策のために朝から産地回り、ラジオの高校野球が楽しみです。4年前痛めた首筋の調子もあって冷房ガンガンとはいきません、頸椎捻挫は長引きます。

阿武隈山地を縦断します、原子力災害が色濃く残ります、残るというより進行中か。
田村市船引から二本松市岩代・東和を経て伊達市に抜ける国道349号線。田村市瀬川で二本松に向かわず右に進むと双葉郡葛尾村に抜ける「移街道」、葛尾村はいまだに全村避難、奥床しいのか、川内村や飯館村ほど話題に上りません。

葛尾村は原発までの距離もあって、原発への経済依存が事故現場の周辺自治体ほど高くなく「被害だけ貰ってしまった」地域、北隣がDASH村のある浪江町津島。

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その葛尾に行く道も通行止で、まさに袋小路のような道路。その手前の集落です、「まさに旧街道」と言うような街並みです。
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共同研究でお世話になった大学の先生に山梨出身の教授がおられ、お会いすると「花子とアン」の話題に誘導されるのですが、大正時代からタイムスリップしたような佇まいです。
この奥には石炭ならぬ「馬産地」で財を成した一族が住んでいたそうですが、それは近代化と言われた殖産の時代ではなく中世以前でしょう。

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一方、国道349号を伊達市まで北上すると突然コンクリートの柱が伸びます。急に浮上した福島を横断する高規格道、何度か書いた除染で出た廃棄物を「中間貯蔵施設に運ぶための道路」といわれています。もちろん被災地の振興のため、と言うことにもしておきましょう。

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都会のビル建設と見間違えるばかりの体制で建設が進みます。新しい使命を与えられて急ピッチで建設が進む道路。中世以来の役目を終えて、緑に包まれるように静かな息づかいの道路。

もっとも、役目を終えたようなというのは一時の感傷か。瞬時に情報が駆け巡る現代で、物理的な移動の優劣だけで価値が決まるわけではありません。
静かな佇まいの中でも「情報発信」は可能です。逆境に負けず、また頑張りましょう。

初秋の気配
旧盆を過ぎると、秋の気配がすると言われる東北地方です。
夏の甲子園も後半に差し掛かると涼しい風が吹くと言われるそうですが、今年は台風で開会そのものが遅れました。
関西も雨模様で、カッと照る太陽が待ち望まれる天候のようです。

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わざわざ探さなくとも、自然を相手にする農業現場、あちこちで秋の気配を見ることができます。
写真はぶどう畑、「巨峰」の房に袋がかかります。袋かけは7月の仕事ですが、袋の中でぶどうの房が肥大している様子が感じられます。収穫まで約一月、秋の味覚がそこまで来ています。

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同じころ早生種のリンゴ「千秋」などは収穫期ですが、このりんごは主力品種「ふじ」晩秋の収穫になります。肥大とともに赤く色付き果肉に「蜜」と呼ばれる濃縮された果汁が溜まります。
青森のリンゴほど鮮やかな「紅」色には色つきませんが、繊細な果肉と濃厚な蜜のコントラストがこの地方の「ふじ」の特徴です。

しかし、季節はまだ夏、桃の終盤戦「川中島白桃」はこれからが本番。そして早生梨「幸水」と続きます、幸水はまではあと一週間、この時期になるとちらほら、アキアカネが飛び交います。

出穂(しゅっすい)
稲作で穂が出始めることを「出穂」といいます。

今年の夏は猛暑と豪雨。人間にとって厄介な気候も、植物にとっては好都合「強い日光」「充分な水分」は最高の条件です(と言うのもある種人間の偏見で、低温や乾燥を好むものの有るのですが)。

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住宅街にしつらえられた果実の自販機、貼り紙は活況のよう。

とりあえず、一般論として農作物を含む植物の生育は旺盛です。桃も生育が早く、生産農家も収穫が「1週間くらい前倒しかな」といいます。「エルニーニョ現象で冷夏」と言われたつい1.2ヶ月前がウソのようです。

例年8月の1週目に行っていた桃のモニタリングや現地調査や土壌採取。今年は例の台風で遅れに遅れ昨日やっと実施しましたが、果樹園の反対側の水田に目を向けると一斉の出穂。

この辺りはコメの品種は「コシヒカリ」でしょうから、やはり例年から3~4日進んでいるでしょうか。

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今までの時期は、葉や茎を伸ばす栄養成長でしたが、これからしばらくは受粉交配・穂はらみ、そして落水と植物生理上微妙な時期になります。

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「サラリーマンでも仕事の傍ら、ある程度は栽培できる」と、産業としては、特殊な形で維持存続してきた日本の稲作。サラリーマン稲作はともかく、果樹や野菜と組み合わせて生産することで、農機や労働力配分をしてきました。
それでも、コストが高くて超大型化しないと生き残れないとする稲作の見方。人件費等コスト格差に負けて日本を離れた製造業も多数ありますが。
しかし、先日見た飯舘村の無残に荒れた水田。理由のいかんはいろいろありますが、荒廃した農地が広がる事だけは何とか避けたいものです。

飯舘村無残
南相馬市で、東日本大震災の「復旧・復興」の志の途中で、不意の病で命を落とした知人がいます。と言うと、放射能かと言うことになるのですが、死因は「くも膜下出血」市役所と電話の途中で意識を無くしました。救急搬送はしたものの、実際は即死状態、突然の死去に連絡も届かず、お盆を前に遅ればせながらの「ご焼香」になりました。

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南相馬市との行き帰りに久しぶりに通った飯館村、相当悲惨な状態です。原発事故直後から、調査やその対応などで何度も来ていました、全村避難も線量が明らかになって、事故後何か月か後に始まったもの。2年で戻ると帰村宣言をしての避難でしたが、日数を重ねることに荒廃は進んでいます。

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確かに居住者はいませんが、ここは国直轄の除染体制、日本人なら誰でも知っているような「大手ゼネコン」がJVを組んで、車両や重機などを投入して「除染」なる清掃活動をしていますが、要は山の地肌を剥かないと本格的な除染にはなりません。除染によって出た廃棄物の、仮置き場か仮仮置き場の設置か知りませんが、この程度の土木作業では到底追いつきません。現在の除染予算からも0が2つは増えるでしょう。現在の姿は「アリバイつくりの除染ごっこ」の様相です。

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かつての水田は一面の雑草の原野、事故直後に当時の民主党政権の農水大臣が来て行った「ヒマワリの種まき」も、その圃場ものが草むらになっていました。
元気よく野生のサルが道路を横切って行きます。生活の破壊・心の荒廃、夏草に覆われたかつての生活権は「目に見えない破壊」もともなっています。

やがてこの草叢に樹木が生え、住居が朽ち果てます。時間との戦いが続きますが「中間貯蔵設備」なるハードを作ってみたところで、混乱が収まることにはつながりません。

嵐のあとさき
旧盆です。高速、一般道とも交通量が多くなりました。そして北上する台風に備えて、何ともあわただしい「入盆」です。

交通量は多いのですが、観光果樹園は閑散としています。とは言え、数字を見をたわけでも調査をしたことでもないので「風評を煽る」と言われても困るので、「私の見たところでは」の話言うことです。

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モモ最盛期の土・日では、「ちょっとありえない」閑散具合というのが地元の農家の感想です。
このような直売にも、長い年月のうちには「栄枯盛衰」があって、道路の新設、交通量の増減等で売上高や販売の仕方が変わります。

昔、高速道路の開通前はのろのろと進む帰省ラッシュの国道4号線沿線では、桃など飛ぶように売れたということです。仮設店舗の裏においた箪笥に、数えるのももどかしく半分眠りながら「売り上げの紙幣を詰め込んだ」と言う伝説があります。帰省ラッシュならぬゴールドラッシュか「古き良き昭和」食べ物なら売れた時代です。

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当初は温泉地に来る観光客を相手に開設した観光果樹園、県道沿いに多数立地して「フルーツライン」と呼ばれましたが、温泉地への団体旅行がどこも低迷、温泉でドンチャン「土産を買って帰る」風習が薄くなりました。
しかし、郵便小包しかなかった時代には思ってもみなかった宅配便の台頭、みごと社会インフラに定着して直接買える時代へ。

なんとか時代環境を乗り越えて、大型化・組織化してきた企業的経営の果樹園。そのに降って湧いたような「風評被害」、永年の経営努力となんだったのかと、当事者たちは憤るばかり。

中間貯蔵施設建設のみかえりで地域振興予算の増額、県も風評被害を含む長期間広範にわたる影響を考慮としていますが、それをも上回る「長期間、広範囲で複合的な原発事故の影響」。

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その果樹地帯を突き切って山形へ向かう山形新幹線。山形新幹線は東京と福島間は新幹線軌道の高架を通りますが、福島からは在来線(奥羽本線)と同じ路線を走ります。
原発事故の影響を抱えてしまう福島と、同じ農業県、果樹地帯の山形。この明暗はとてつもなく大きな影を落としています。
山形新幹線と並行して山形に抜ける高速道路も急ピッチで建設中。これで、福島の富がまた流出するのではないとか、と言う危惧も聞かれます。国際的なボーダレス社会のなかで、福島と山形で流入と流出もないのではないかとも思うのですが、原発事故がもたらした危機はそれこそ国際的なものになっています。


東電の無理難題
暑い日が続きます、西からは台風です。

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今日もこれから暑くなるというように、早朝の吾妻山の稜線はまだ朝モヤの中、日差しが強まるころはくっきりと山肌が見えてきます。
ふもとに広がる水田の出穂ももうすぐ、あと1週間から10日か、「コシヒカリ」での話ですが。

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桃の収穫も、主力品種の「あかつき」でずいぶん進みました。桃の木ごとに一斉に収穫するのではなく、早く色づく木の頂点部から下に降りてきます。
もう下の方まで下りてきて、脚立でなくとも採れる位置です。葉陰でも日光が当たるように、地上にアルミの反射シートを敷きます。

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さて、長閑な夏の田園風景の後は実に困った「東電」のはなし。福島県外で各県に飛散した放射性物質の汚染物の最終処分場は、各県に作るということですが、宮城県知事が調査の受け入りを表明しましたが、候補の自治体はどこでも受入れ拒否、栃木県も同様です。
新潟県知事も先の検察審査会で、東電幹部を「起訴相当」としたことに「当然だ」とコメントしました。あわせて東電幹部は「経営責任」は認めるが「事故責任」には言及していないと指摘しています。これでは、刈谷柏崎の再稼働などいつになるかわかりません。

さて、福島でも「東京電力株式会社福島復興本社副本部長」なる、よくわからないポジションの東電幹部が、地元の双葉漁協に「浄化後の汚染水の海洋放出について理解を求める」という行脚をしたというニュース。

地元の人間でも、一瞬何のことかわからない出来事です。まず、浄化後の汚染水、先日まで流す流さないで大騒ぎをしたのは、山側から流れる地下水を、事故現場に流入する前にバイパスで海に流すというもの。これは事故処理の迅速化のために「苦渋の選択」として、地元漁協は容認したもの。
今度は、事故現場に流入して汚染された水を浄化して流すというもので、根本的に事態が違います。まず、浄化と言うものの「放射性物質の除去装置」ALPSですが、まともに動いているかどうかが基本的に疑わしいもの、ALPSがトラブル、緊急停止、予定通り除去しておらず、などの報道は茶飯事で、最近も本格稼働は年末からと報道されたばかり。年末からもトラブルがないとは言えず、まともに動かないものを使って「浄化」しますから「流させて」と言うのもかなりの厚顔です。

さらに海洋放出の了解を「地元漁協」にお願いするというのも、考えてみれば妙な話。太平洋は漁協のものか、と言うことになります。影響は地元の水産物への風評被害にまずは来るので、地元の漁協と言うのはその連よくわかりますが、逆に言えば被害を「地元漁民の風評被害」と矮小化させているようにしか見えません。

かと言って、「海洋放出の許可はどのような根拠で誰が出す」と言う法的整備も出来ていないので、仕方がないとも言えますが、やはり東電の「事故影響の矮小化」戦略と見るのが妥当でしょう。

先ほどの、最終処分場設置に反対する地元自治体の話、「国有林に設置する」「遮蔽には万全を期す」といわれれば強硬に反対する理由もないのですが、「住民感情」と「風評被害」がやはり最大の問題。水源がどうのと言っていますが、最大のネックが前述の2点。

だいたいにして、「原発は絶対安全」「夢のクリーンエネルギー」から始まって、事故後は「格納容器があるので大丈夫」「事故収束宣言」「汚染水はALPSで除去し浄化」「凍土壁で地下水流入防止」と、東電の発表など当てにはならないというのが「常識化」。これらは地元漁業に対する影響だけではなく、甚大な風評を含む社会認識に大きな影響を与えていると考えるべきで、その補填・賠償には相当な日数も金額も要します。
東電副本部長なる人物も、漁協組合員に媚びへつらう様なひきつった笑顔で対峙していましたが、また「一時しのぎのドタバタ劇」と言う視線で多くの県民は見ています。


無事に飛びたて 夏の鳥
何日か前に、農家の軒下のツバメを紹介しました。統計的にどうかは分かりませんが、その農家には3.11があった3年前にはツバメは来ませんでした。
鳥も寄り付かなくなったと暗澹たる気持ちでしたが、翌年からまた来るようになったということです。

猛暑のの我が家の庭にも、見知らぬ鳥が舞い降りたというか、迷い落ちたというか。

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甲高い鳥のさえずりが聞こえるので、外を見ると見知らぬ鳥がせわしなく飛んでいます。何事かと庭を見れば、まだ飛べない小鳥が気の根本に。

たまたま、先日刈った芝を敷き藁のように桜の若木の根基に敷いたところ、連日の猛暑でたちまち乾草状態。居心地のいい巣箱とでも思ったのか、ちょっと小太りの小鳥がちょこんと座っています。雛と言うにはもう少し成長しているでしょうか。

まだ世間知らず、レンズを向けても動きません。親鳥の方が異変を感じて飛び回りますが、陽動作戦か雛のもとには近付きません。

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遠くで雷鳴、あと少しで雨が来そうです。小鳥の行く末が心配になり、人の気配で親鳥も近づけないだろうと見ないふり。

最近当地方でも、行き場の失ったクマが人里近くに出没している様子。何か気になる自然の変調ですが、野鳥の訪問くらいならいつでも歓迎です。

ネット検索に頼る生活で、野鳥図鑑など手元にありませんが、今度見かけるときまでには名前程度がは調べておきたいものです。





ソーラーパワー
半端ない直射日光が降り注いだと思ったら、一転の豪雨と稲光り。「夏だ」と言えばそうなのでしょうが、「冷夏」「長雨」よりまだましか、と慰めるしかありません。

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最近あちこちで見かけるのが太陽発電パネル。ここは福島市の郊外、何年か前に撤退した遊園地の跡地。使われなくなった遊戯の残骸を見るよりも、クリーンエネルギーを生産する太陽光パネルが設置される方がよほど気持ちはいいのですが。長期にわたる採算性となると疑問視する向きもあります。

以前の自民党政権が潰えて、民主党鳩山政権が華々しく登場して「事業仕訳」と「CO2の排出削減」を打ち上げました。鳩山政権は結果的には沖縄の基地移転で墓穴を掘ってしまったのですが、一瞬でも新しい時代の到来を予感させました。

霞が関から、思ったほどの埋蔵金が出てこず「事業仕訳」も仕訳人のパフォーマンスで終わり、化石燃料の抑制によるCO2排出低減の正体は原発による電力によるところが大きかったことを考えると、あの光明は「夏の夜の夢」だったのかと言う気になります。
もっとも、風評被害に悩むある果樹農家は、一連の風評被害の発端になった枝野官房長官の「直ちに健康に被害の出る・・・」の会見がいまだに「夢に出る」と言っていました。その枝野氏も民主党発足の頃は、舌鋒鋭く「長年の無駄遣い」に切り込む仕訳のHIROでした。蓮舫議員ともども最近お見かけしないのですが。

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先日話題になった検察審査会の関連でも、事故直後に現場を混乱させ、初動を遅らせた菅元首相の責任も問うべきだという意見も根強くありました。誰もが被害の抑制のために、懸命に動いた結果なのでしょうが「結果責任」を持ち出されれば、そう反論は出来ません。もちろん罪を問うとは違う次元のことでしょうが、権力者の責任とはそういうものなのでしょう。

菅ならぬ韓も、そして露も、権力者が崖っぷちのようです。庶民の暑い暑いの悩みなど些細なものかもしれませんが、それにしても暑い。





夏の空 夏の川
八月です。冷夏、エルニーニョのはずが猛暑です。先月末に梅雨明けがありました、感覚的にはもう一週間位前に明けていたのではないかと思います。気象庁の予想では、「梅雨明けは八月にずれ込む見通し」とのこととだったので、梅雨明け宣言も出しにくかったのでは、と言うのが天気予報に敏感な農家の見立てです。

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7月の台風の時の濁流が嘘のように、悠々と流れる「阿武隈川」夏の暮色、西に傾いた太陽が水面を照らします。

検察審査会が、東電幹部を「起訴相当」としました。判例重視の日本の裁判では、たとえ起訴が成立して裁判になっても「無罪」だろうと言われています。1万年に1度の大災害の予見は不可能、というのが被告側の見たてですが、せいぜい500年に1度はありえた災害、非常用発電機を海側の低地に並べたのが被害に拍車をかけた。と言うのもまた常識的な見方。「罪を憎んで人を憎まず」と達観できないのが人の常、とりあえず司法の場で予見が可能・不可能の双方の主張を聞きたいと思います。

気象衛星を上げても、ひと月半月先の天気予報も正確にできない科学技術。まだ、原子力など危険なものを維持管理、利用することは人類にとって荷が重かったのかもしれません。

もっとも、今回の原子力災害は科学技術の問題か、運営する人間の問題だったのかと言うと、また意見の分かれるところです。
嘘をつきながらトラブルを隠てきた、企業の隠蔽体質が日本を代表する大企業の姿であったことに、まずは驚かされます。
それでもプライドはさらに高く、加害企業が被害者に上から目線の賠償交渉が続いてるようです。

夏空を背景に、周囲を見下ろすように建った携帯の無線基地局。昨今の急な雷雨でも、従来の避雷針よりさらにかなり高いので、雷には安心と周囲に妙な安心感を与えています。

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1基建てるのにかなりのコストでしょうが、相変わらず建ち続けています。田舎では弱いとされてきたSBも相当改善されてきました。当初は3社での無用な競争、無駄の投資が多いと思わないことはなかったのですが、もうコンビニ同様生活インフラとしても、固定電話よりも携帯やメールがない方が生活に支障が出ます。よくわからない割引き制度ながら、使用料金も随分下がってきました。

電力会社の隠蔽体質や危機管理の欠如、もっと言えば倫理観の欠如は、企業間競争などない「地域独占」の体質やシステムに問題があったのかもしれません。
もっとも、原発の不稼働や震災の年に有った洪水で水力発電所が被害を受けながら、収益をリーマンショック前まで回復させた東北電力あたりに言わせると、「あちらとは一緒にしないでくれ」と怒られるかもしれませんが。