先日来、その時々に咲き誇る果樹の花を紹介してきました。一昨日リンゴの花の紹介方々「東電の被災地対応」について話題にしたところ、予想外の反応がありましたのでその続編です。
その前にスモモの花。さくらんぼ、桃、梨、林檎、葡萄よりはマイナーな果実ですが、桃に先駆けて出荷になる初夏の味覚です。漢字で書けば「李」さくらんぼ、桃同様バラ科植物で原産地は中国。 山梨とかの出荷が多いようですが、スモモの主力品種「大石早生」は福島県で開発された品種(と言っても昭和20年代ですが)、これほど長く品種の更新がされていないのも「主力の果実ではない」ことを示すものかもしれませんが、開発者の大石俊夫氏は民間の研究者、大石さんの長男が私の高校の生物の先生でした、生徒指導もしてました。

さて、永年の先人の遺徳を「チャラ」にしてしまったような原子力災害、今日の地方紙でも「加害者が決めるな」のリードで記事が書かれています。文科省が設置した「原子力損害賠償紛争審査会」の指針をかいくぐり巧妙に東電は自分の考えを賠償基準に入れて、審査会の意図と違って賠償責任を免れようとしていることを、審査会の能見委員長も指摘しています。
賠償の支払いルールを「不法行為により損害を与え賠償する立場の会社」が決める、のもおかしな話でです。もっとも普通の会社なら、何とかして賠償責任を軽微に抑えて、株主や債権者の利益の確保をと思うのが当然ですが、放射能災害と言う有史に残る不祥事で、賠償・廃炉・除染費用で破綻状態、実質国有化の企業が「今さら何処を向いて仕事をしている」とでも言いたくなるようなことです。
また今日の新聞で不思議に思うことは、関西電力等電力5社が赤字なのに東電は黒字とのこと。むろん、油を拭き取る布きれを「社員が自宅から持参」するなどきめ細かなコストダウン効果の成果ともいわれ、それはそれで結構なこではあるものの、自宅に住めなくなったりなり生業をなくす被災者もいるわけで、国策でコストを国が肩代わりして除染・廃炉をお通してただけの話で、せめて賠償くらいもっとキッチリとせいよと言うのが福島の偽らざる心境です。

果樹栽培も、低コストでおいしい果物を作るために「堆肥の確保」「有機性資材の機能向上」と毎日汗を流しています。
避難者の中には汗も流さず、慰謝料でパチンコ生活の指摘も全く的外れではありませんが、ともあれ復興に向けて、光と影が交錯して先々がとても見通せない被災地です。
テーマ:ほっとけない原発震災 - ジャンル:政治・経済
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