福島盆地でもリンゴの花が咲きました。桃などと違って葉が出てから白い花を咲かせます。もちろんつぼみが膨らんで開花するのですが、葉の方が早く出るためにめつぼみが目立たず、ある日突然花が咲いたような錯覚に陥ります。

突然のように、リンゴ畑が白い花で覆われます。桃の艶やかさと一味違って幻想的の白になります、もっとも個人の感覚の違いはありますが、これはこれできれいな景色ではあります。
さて、果樹の花が畑を覆い、先日も書いた「ハナミズキ」の赤や白が街並みを彩ります。郊外の畑では「アブラナ」が黄色い花を咲かせています、これから里山のヤマブキがやはり黄色の花を咲かせ、晩春から初夏へピンクや赤のツツジ、そして紫陽花と季節が変わってゆきます。四季に彩られた地上の薬園のようなところが福島です、福島に限らず日本の四季とはそのようなものかもしれませんが。

リンゴの花にもミツバチが乱舞する地上の薬園に、「放射能」と言う色も匂いも重さもない物質が舞い散って三年、この土地の暮らしや住む人の心理に暗い影を落として3年以上、直接間接に甚大な損害をもたらしました。
今朝の地方紙に、その放射能災害の原因「東京電力」についての記事があったので、そのことについて今回は少々書きたいと思います。
それによると、東京電力は不法行為によって拡散した「放射能」によって生じた各種の損害について「賠償」ではなく「補償」と言う言いまわして(渋々)支払いを行っていると言います。賠償と補償の違いを素人が論じることは誤解を生むので避けますが、厳然たる事実として異なるものだそうです。
そして、東京電力は言を左右して「賠償」金額の減額、平たく言えば「踏み倒し」に躍起になっているとのこと、一旦約束した賠償基準や項目を平気で反古にしたり、どう見ても損害としか判断できないものでも勝手な理由を付けつつ「直接請求には応じない」態度をとり続けています。
地方紙では、「通常の株式会社ではむしろ当然のこと、株主の利益を最優先する上場会社にとっては余分な出費を抑えることが株主に対する会社の義務」であるものの、民間の上場企業とはいえ公益の地域独占企業が国策に従って行った事業にかかわる不法行為に生じた損害の賠償を、「普通の株式会社の論理」で行っていいものかと言うものです。

現実問題として、民間企業としての「東京電力」はすでに原発事故のため破綻状態で、関東地方への電力供給のための特例と賠償、除染、廃炉のために国策で(からり強引に)生かされているだけ会社に「普通の会社の論理」を言われても、被災地域としては困ってしまいます。
特に被災3県の復旧復興の決まり文句で、東日本大震災を一括りにしますが「地震・津波」による天災と、「東京電力の不法行為」がもたらした人災ときっちり分けて対応する時期が来ている(とっくに過ぎている)と思います。
もっとも東京電力も「地震・津波」による被災企業ではあるので、その点は勘案する必要はおるとは言えますが、加害企業であることは免れません。
花があふれる豊饒の大地とそこに住む人たちの暮らしを戻せと言うことで、賠償を「たかり」扱いをする訳のわからん世論との闘いもこれから必要です。
テーマ:ほっとけない原発震災 - ジャンル:政治・経済
|