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紙一重の幸福
地震、津波と追い打ちをかけた放射能災害。3重苦が続く福島から車で1時間足らず。現在建設中の高規格道路が出来れば約20分で結ばれる山形県米沢市。その米沢の福島寄りに「高畠町」があります。

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外資系のコンピューター大手からIT企業に転出して社長も務め、現在も社長業を兼務しながら福島の隣接「高畠町」で果樹農業をしている中村社長をお訪ねしました。
気候は福島より半月遅れか、先週末が桜が満開と言うことでした。山形は津波や地震の被害とは関係なく、放射能災害でも福島県から避難者が押し寄せたところ、福島では食べる人がいなくなった「山菜」のタラの芽も「遠慮なく食べています」とのこと、福島から国道13号線の峠一つ隔てた先に「地上の薬園」は存在していました。

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自慢のさくらんぼを説明する中村社長、社長は横浜と山形の往復生活、奥様が「山形の農園主」お孫さんの来園が何よりの楽しみだそうです。
奥様の話では、家庭菜園の範囲ではなく出荷、販売に対応する規模と技術を有するとのことで、何年か前山形県であった未登録農薬を使用した果樹園あって、使用していない品目にまで「風評被害」が発展。発覚した農園主は自殺と言う痛ましい結果になり、この果樹園も深刻な影響を受けてしまい「風評被害の怖さは身をもって体験しました」とのこと。

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ログハウス風の瀟洒なお住まいで、葡萄から育てた本格ワインを楽しむような農的生活も、人知れず「風評」と闘ってきた経験もお持ちです。
ですから高齢化が進む農村の様子、人口がピークアウトして国内食糧マーケットが縮小する現実、生粋の農家育ちよりも農業を見る目は複眼的でシビアです。

放射能災害によって、離農や買い控えによるマーケットの縮小に直面する福島。日本の農業の将来像が先んじてきてしまった感があります。山一つ隔てた山形と福島を見ながら、将来の農業や里山の暮らしに思いを馳せています。


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東京電力(株)は普通の会社か?
福島盆地でもリンゴの花が咲きました。桃などと違って葉が出てから白い花を咲かせます。もちろんつぼみが膨らんで開花するのですが、葉の方が早く出るためにめつぼみが目立たず、ある日突然花が咲いたような錯覚に陥ります。

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突然のように、リンゴ畑が白い花で覆われます。桃の艶やかさと一味違って幻想的の白になります、もっとも個人の感覚の違いはありますが、これはこれできれいな景色ではあります。

さて、果樹の花が畑を覆い、先日も書いた「ハナミズキ」の赤や白が街並みを彩ります。郊外の畑では「アブラナ」が黄色い花を咲かせています、これから里山のヤマブキがやはり黄色の花を咲かせ、晩春から初夏へピンクや赤のツツジ、そして紫陽花と季節が変わってゆきます。四季に彩られた地上の薬園のようなところが福島です、福島に限らず日本の四季とはそのようなものかもしれませんが。

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リンゴの花にもミツバチが乱舞する地上の薬園に、「放射能」と言う色も匂いも重さもない物質が舞い散って三年、この土地の暮らしや住む人の心理に暗い影を落として3年以上、直接間接に甚大な損害をもたらしました。

今朝の地方紙に、その放射能災害の原因「東京電力」についての記事があったので、そのことについて今回は少々書きたいと思います。

それによると、東京電力は不法行為によって拡散した「放射能」によって生じた各種の損害について「賠償」ではなく「補償」と言う言いまわして(渋々)支払いを行っていると言います。賠償と補償の違いを素人が論じることは誤解を生むので避けますが、厳然たる事実として異なるものだそうです。

そして、東京電力は言を左右して「賠償」金額の減額、平たく言えば「踏み倒し」に躍起になっているとのこと、一旦約束した賠償基準や項目を平気で反古にしたり、どう見ても損害としか判断できないものでも勝手な理由を付けつつ「直接請求には応じない」態度をとり続けています。

地方紙では、「通常の株式会社ではむしろ当然のこと、株主の利益を最優先する上場会社にとっては余分な出費を抑えることが株主に対する会社の義務」であるものの、民間の上場企業とはいえ公益の地域独占企業が国策に従って行った事業にかかわる不法行為に生じた損害の賠償を、「普通の株式会社の論理」で行っていいものかと言うものです。


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現実問題として、民間企業としての「東京電力」はすでに原発事故のため破綻状態で、関東地方への電力供給のための特例と賠償、除染、廃炉のために国策で(からり強引に)生かされているだけ会社に「普通の会社の論理」を言われても、被災地域としては困ってしまいます。

特に被災3県の復旧復興の決まり文句で、東日本大震災を一括りにしますが「地震・津波」による天災と、「東京電力の不法行為」がもたらした人災ときっちり分けて対応する時期が来ている(とっくに過ぎている)と思います。

もっとも東京電力も「地震・津波」による被災企業ではあるので、その点は勘案する必要はおるとは言えますが、加害企業であることは免れません。

花があふれる豊饒の大地とそこに住む人たちの暮らしを戻せと言うことで、賠償を「たかり」扱いをする訳のわからん世論との闘いもこれから必要です。

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名前は良くわかりませんが
毎回、この花はどうのその木はこうのと薀蓄らしきものをたれてはいますが、決して花木の専門家ではなく「名前も定かでない草木」も多くあります、というよりその方が多いのですが。

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植えたものでなくとも、たまたま育った木もそれとはなしに存在感を示しているものもあります。この生垣の家主に聞くと「せっかく育ったので、切るのは忍びないのでそのままにしていた」とここと。
個人の価値観と言うか、思い入れもそれぞれなので「美観」はともかく気に入っていれば良しと言う世界でしょう。

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もっとも「美観」について、お前に言われる筋合いはない、と言うことにもなるのでしょうが。桜が散ってハナミズキに季節が移ると晩秋から初夏、季節は駆け足で移ります。

先週末に富岡製糸場が世界遺産へ、と言うニュースがありました。鎖国を解いて明治新政府が発足したものの、西欧列強は産業革命を経て工業化社会が定着していました。
軍事力を整えようにも、まず「先立つもの」がない日本にとって外貨を稼げる「新産業」の育成は急務で、その役割を養蚕業を土台として蚕糸、絹織物と今でいう6次化を進めて、曲がりなりにも明治中・後期には列強の端くれに加わったのですが。
官営八幡製鉄もありましたが、どだい付け焼刃のような重工業では国際競争に勝ち目はなく、輸出商品としての絹糸や絹製品の隆盛は世界恐慌まで続くのですがその記念碑たる富岡製糸場の世界遺産は「富士山」「屋久島」「平泉」などと違った意味で注目されます。
もっとも、その産業拡大の裏では「女工の過重労働」や、司馬遼太郎の「坂の上の雲」で表現された軍拡「意外に弱かった清国」「かなり幸運が重なり勝利した日露戦争」「棚からぼた餅のような第1次大戦勝利」をへて第2次大戦への突入と結構な歴史ばかりではないのですが、このあたりも含めて、あの時代を検証したいものです。


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ハナミズキとケヤキ
果樹園の花々に気を取られているうちに、すっかり街や住宅地の様子も変わっていました。満開だった桜から今はハナミズキ、そしてケヤキの新芽。

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街路樹と言えば、柳・銀杏・プラタナス、だったのですが、福島ではいつの間にか「ハナミズキ」が幅を利かせるようになりました。欅(けやき)も福島の県の木なのですが、街路樹の欅と言えば仙台のイメージが強くなります。

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何はともあれ、街に緑があるのは良いことで、まして福島は放射能、汚染のイメージがついて回るので。クリーン・グリーン・クリア・フレッシュ等々のイメージ戦略が必要になります。


放射能災害をうけて、再生可能エネルギー略して「再エネ」という、バイオマスや地熱発電、ソーラーや風力などのエレルギー供給に向けての研究産業拠点として「福島」を文字通り「再生」しようとする構想が進行中ですが、早くも政府はベースロード電源として「原子力発電復活」を基本政策にしたので、またここで再エネの影が薄くなりました。
産業総合研究所の当該技術の研究所が郡山に設置される矢先で、産業技術を包括して研究する産総研はまだしも、再エネに賭けてきた福島県は「梯子を外された」形で、それでも汚染水などの目先の杜撰な管理について「クレーム」をつけることで、なんとなく存在かをを示そうとしているところが、なんともいじましく見えてしまいます。

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ハナミズキというのは北米原産の花木で、日本が米国に贈った桜の返礼で日本に贈られたのが定着の発端のようです。桜の散った後を彩るのも何かの因縁でしょうか、ハナミズキと言うと台湾出身の一青窈の歌唱曲としても知られているので台湾からの移入か、と言うのは単なるイメージによる思い過ごしでした。
その台湾も原発建設反対で揺れていて、ハナミズキの開花に合わせるように「オバマがやって来てTPPが纏まらず、寿司食って帰った」と言うこともありました。

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実はオバマ大統領が銀座に行った23日は私も東京で会合の予定でした。ところがさらに急遽伯母が亡くなり23日が通夜、申し訳なくもキャンセルをお願いして次なる予定は来月13日、GWが入ってスケジュール調整もも延びてしまいがちです。5月13日頃は田植えも佳境、街路樹の浅緑もずいぶん濃さを増していることでしょう。

伯母の告別式は24日でした、精進揚の席では「これなければ昨日は銀座で大統領と鉢合わせ」と、冗談を言いましたが、88歳で逝った冗談好きの伯母も笑って聞いていたのではないかと思います。70年に亘って老舗の菓子店の暖簾を守ってきた伯母でした。
季節の移り変わりや人の生死に関係なく、巨大なパワーバランスによって生活や仕事そして価値観や倫理観も変わってきます。立ち位置を見失わないようにだけ心がけたいと思っています。


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百花繚乱 2
西太平洋で水温上昇、エルニーニョの兆しか、今年は冷夏の可能性。という報道がありました。農家の受け止めは意外と冷静で「気象庁の長期予報は当たったためしがない」と意にも介しません。
ダントツぶっちぎりのはずだった巨人はセリーグ3位、しかしわれらが中畑ベイスターズは予想通りやはり最下位、しかし最下位ロードにスワローズも居ると言うのがなんとなく救われます。
私も生前ずいぶんとお世話になった、福島大学の名物教授下平尾勲氏。講演で「予想」を逆から読むと「嘘よ」とよく言っておられましたが、長期予報や地震予報はまだこのような確率なのかもしれません。

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アップで撮ると可憐な果物の花も、アングルを引いて全景や風景まで入れると、地域の特性や各農家の個性、個別の技術体系などが見えてきます。
「どこが」と言われても一口で言えないのが、いまだ「コツのようなもの」あって「レシピ」だけでは表現できない農業技術の特性で、その点STAP細胞と似ています。

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さくらんぼも、球数重視と果重重視で花の咲かせ方や受粉管理が違ってきます。果実は実は「種」専門用語でいうところの「生殖成長部位」、木や葉を育てる「栄養成長」とは少し意味が違います。しかし、ある程度木や葉も育てないと実もつかないわけで、そのへんの「匙加減」が技術の要諦と言えます。

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梨は、栄養成分と果実つまり種の関係が割合鈍感、とにかく木を充実させなければいけません。ところが、肥沃の土壌よりも石だらけの、かつては萱しか経なかったようなヤセ地が栽培適地だったりします。
まずは奥の深い栄養管理と栽培技術、そこに他生産者との競合による「販売管理」が入って来ます。コスト重視か品質管理か、30年も40年も前と違ってお腹を空かせている日本人はあまりいない訳で、「品質」つまり美味しくなくては売れませんよというのは、というのは誰でもわかること。
しかし、品質よりもコストに走ってしまう生産者も実際います。長年の経験をタテに、データや論理に背を向けます。これは、技術や経営の問題ではなくてもはや「煩悩」の範疇なのでしょうが、やがてというか現実的に「現世」から去らねばならないのもなんとなく宗教的ではあります。

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百花繚乱
桜は散りましたが、追うように桃が満開。摘花に受粉に忙しい毎日です。
忙しいと言えば東京電力(株)、汚染水の誤移送はずいぶん前からあった様子。ALPSはなかなか正常に作動せず、汚染水と税金の垂れ流しは当分収まりそうにありません。

トラブル続きのALPSに、「おフランスの機械などに頼るな」というネットの書き込みがありましたが、私の思い違いでなければ「おフランス」はアルバのことで、トラブル続きのALPSは東芝の技術でなかったかと思います。私もそれほど定かではない知識ですが。

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いつも書くように、桃の花は艶やかです。桜桃の花も咲いています、桜桃とはさくらんぼとのこと、桜桃とは言え、、桃ではなく桜の一種、もっとルーツをたどればバラ科植物。もっとも桃もバラ科ですが。

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染井吉野などより混んだ白い花を咲かせます。桃の艶やかさに比べて清楚な感じがします。今年は風評もなく売れますように、何しろこれからサクランボ畑はこれからビニールに屋根を架けます。生産コストが違います。

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ビニールハウスならぬ、棚の上で育つのが梨。これも白い梨の花が満開です。
さくらんぼと違った清楚さがあります。これから作リンゴの花も白ですが、こちらは先ず葉が出てそれから花が咲きます。一口で果物と言っても、氏も育ちも千差万別。自然との闘い、風評との闘い、放射線量との闘い、果てしない攻防が今年も待っています。

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桃の花
週末から寒い日が続きましたが、モモは順調に開花を迎えています。昨年の今頃、桃の花に雪が降るという前代未聞の「椿事」がありましたが、雪に遭った桃・梨などは無事に育ちました。

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平地の桜は終えました、今は会津盆地が盛りとのこと。ここから虚空蔵尊の柳津、亀ヶ城の猪苗代と周辺部に広がります。
今、福島の果樹は受粉や摘花、忙しい日々が続きます。5月初旬までは遅霜の心配もあります。
もともと福島県北部の果樹地帯は、長野の様に旧経済連(農協の販売・購買などの経済事業体)主導というよりも、農家が自ら販路を確保して収益構造を作ってきた産地。残ったものをJA出荷というスタイルが、3年前の放射能災害から個人顧客が離れることによって成り立ちにくくなりました。

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永年の顧客は自分の分は購入するものの、贈答や業務利用を避けることにより売り上げは激減「自分の商品に値段をつける」ことができなくなり、JA通しての市場出荷で需給によって価格が決まる、何の変哲もない青果流通の構図に陥りました。

となれば、永年培った栽培技術も顧客獲得の営業活動も水泡に帰してしまいます。

と、今日の日経を見れば4メガバンクが東電再建に向けて「無担保融資復活」とのこと。廃炉や除染に国の資金も入ることから収支の下振れリスクが遠のいたとこ見解によるものだそうですが。どう見ても「盗人に追い銭」ならぬ「東電に追い銭」、首都圏の生活、産業を担うエネルギーの供給会社を盗人とは何事という声もあるでしょうが、事情はどうあれ放射性物質の拡散は紛れもない不法行為。企業体として存続したいのであれば不法行為の責にも責任を取ってもらわなくてはなりません。

事故現場の汲みあげ井戸から基準値以上の放射性物質が検出された件で、担当役員が漁協関係に説明を行った映像がニュースで報道されましたが、画面で見る限り言葉は丁寧ながら(いわゆる慇懃無礼)どうも上から目線、事故加害者になっても、地域独占企業の垢は3年やそこらでは落ちないようです。

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桃の若木
通称「もも栗3年柿8年」と言いますが、生り始めるまでが3年で経済価値を生む量まも出収穫量が増えるのにさらにもう少し年月が必要です。

成木に接いだりして、収穫までの年月を短縮しようとしますが、根の老化は防ぎようがないため若木を植える作業は避けようがありません。

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何年か先の収穫を目指して植えたであろう桃の木、果樹も若木のうちは畑にスペースがあります。そこに持ち込まれた除染で出た放射性廃棄物。多分仮置き場か仮埋設までのつなぎで一時置いただけでしょうが、やはり農家としては切ない光景でしょう。

風評被害の程度については、各自様々に言われています。もう国際的に被災地FUKUSHIMAが浸透した以上半永久的に食糧供給基地としては機能しない、或いはモニタリングで例外的にしか放射性物質が検出されない以上風評被害は克服しつつある。両極端でいえばこのような処でしょうか。

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仕入れる方は、別に福島でなくとも山梨でも茨城でも桃は桃と割り切れますが、永年かけて桃を生産・販売してきた方はかけがえのない生産基盤であり経済基盤、コストの回収や収入の確保まで文字通り「命がけ」の話になってきます。

原発事故から3年、事故当初「命がけ」で高線量をかいくぐり、暴走する原子炉を制御しようとした発電所員は取りざたされていますが、そこから80㎞も離れて、原発になど何の恩恵もなかった地域でのとんなとばっちりに突然降りかかった災難は、正直言ってこのあと何年災いが続くかわかりません。

東電社長の「最後のお一人まで」保障賠償を続けると言っていますが、すでに悪徳弁護士を立てて約束反古、賠償ルールは勝手に変える。原子炉ならぬ賠償担当の暴走も始まっています、メディアはかわいそうな被災地域の報道は飽きたと見えて隣国の客船転覆の話題で、かわいそうな被災者家族の「憤怒」の報道に余念がありません。

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市内点描
春爛漫でも、何処か暗い影差す被災地福島。消費増税後の景気動向に各地でリサーチが行われていますが、被災3県においては景気もまだら模様、建設など復興関連はいいが既存産業は苦戦気味というのが大方の見方です。
ことろが、景気のいいはずの「除染業者」も契約のトラブルから、住民に費用の直接請求。市が払う必要はないと通達を指すなどそれなりの混乱はあるようです。

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ご多分に漏れず、酒屋も郊外型の安売り店が大勢を占め、ドラックストアなど他業態でもアルコール飲料取り扱うようになる中で路地でがんばる小売店もあります。
見難いのですが向かって右の藍染の文字、「ごでらんに」=こたえられない(たまらない)、「さすけね」=さしつかえない(だいじょうぶ)、「なじょすんべ」=どうしよう。どうしようについては切羽詰まったものではなく「あらあら」ていどのニュアンスでしょうか。


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近郊の神社の祭礼は、先日紹介しましたが総鎮守(かどうかわかりませんが、祭礼としては一番大きい)福島稲荷神社。そこの桜です。境内に入って確認したわけではありませんがおそらく「紅しだれざくら」、なかなかの異彩です。

その稲荷神社のそばで営業している、野菜カフェ「なないろ」。震災後の市民運動からスタートして、市民運動の段階ではなくなったとして独自の店舗を構えたとのこと。

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市民運動からスタートして、いろいろな形に発展するケースもありますが、ビジネスであるようなないような。今後の消費者の反応に注目しましょう。商品は北海道、西日本の野菜や加工品、今後は惣菜にも手を伸ばしたいとのこと。


桜ならぬ芝ざくら、仮設住宅の土手に植えられていました。「仮設住宅で老婆が孤独死、死後10日は経過」と凄惨な新聞報道もありますが、そこからするとなんとなく安心するような光景ですが、考えてみれば長くて2年の仮設住宅。

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もはやこうなると、仮設ではなく寄り合い長屋。しかし何と言ってもプレハブを無理に持ちこたえさせている現状。ストレスや住環境の悪さは想像に難くありません。




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春爛漫の福島から 3
今日は午後になり少し雲が出ました。いわゆる花曇り、福島市内の染井吉野は散りましたが、少々山間部に行くと今が盛り。そんなに遠出しなくても今週末もまだ花見が楽しめそうです。

入れ替わるように桃の花が咲き始めました。

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間もなくピンク一面の桃畑も紹介できると思いますが、実は花一面というのは摘蕾(不必要なつぼみを落とす)ということを行っていない畑で、栽培上はあまり宜しくはありません。ちょっと桃の花が物足りないというような桃畑が管理が行き届いた栽培です。もっとも、摘花と言って花の段階で整理することもあり、また摘果実の小さい内に落とすこともあります。労働力との兼ね合いになります。

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午後行くはずだった養鶏場、急なトラック修理で農場長が戻れず急遽キャンセル。少し遠回りして桜が盛りの森林公園を経由して戻りました。松の緑と水辺の桜もいいもので、ここは今週末が人出のピークでしょうか。

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桜のトンネルの中の散策も出来ます。近隣の高校生も来ていました、新入生ののオリエンテーションでしょうか。新一年生は小学校の卒業直前に3.11があり、混乱の中で中学校に入学した年度。多感な中学生時代は放射能防御との闘いでした。

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息をのむような満開の桜も水辺のせせらぎも、無縁に過ごしたような中学校生活の後は、せめてやすらぎの中での高校生生活を送ってほしいものだと思います。

地方紙によると、福島商工会議所の前会頭が持論の原発再稼働を経済活動や生活維持の観点から展開、自治体や被災住民は帰還の判断など苦渋の決断が求められると発言し、避難者からの質問の返答として「やむを得ない。運命なのだからしょうがない」と言ったそうです。

大体、原発などの「嫌悪施設」設置の見返りとして「財政」「雇用」など、平たく言えば金の見返りはあるものにしても、立地自治体ならまだしも、これだけ広域的(いわゆるとばっちり)に損害を与え、さらに子供にまで「運命」を強いるのは、やはり正気の沙汰ではないと思うのですが。





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春爛漫の福島から 2
朝から花火が上がりました。「運動会にしては平日だし」と考えていると、近隣の神社の春の例大祭とのこと。農村部につき、穫り入れの秋のお祭りが盛大な土地柄で、春のお祭りはさほど盛大にしないのが普通なのですが、ここの神社は別のようです。

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先日花を見た神社なので、「花火まで上げる春のお祭りに興味を惹かれ」昼下がりに行ってみました。全国的に名を馳せる「花見山」とも違い、交通渋滞もなく駐車スペースもあり、難なく着くと山門に露店まで出ているお祭りぶり。節でもない花火まで上げる熱の入れようが分ろうというもの。

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福島の秋の例大祭「福島稲荷神社祭礼」は、交通規制の上神社周囲に露店が並び、いかにもプロの露天商でアイドル物など商品も値が張り華やかなのですが、ここはいかにも地元の皆さんが、という風情。お面や綿あめなど定番商品で、刺身に缶ビールなど露天商というより半分は桜を楽しんでいる様子です、いかにも地域ボランティア出店。

その中でちょっと変わった露店(?)もありました。胸が締め付けられそうでした。

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竹細工が並ぶ露店、値段は2500~3500円。思えば春の神社境内の市は、このような竹細工、農具、苗などの露店が並ぶものでした。それらは、良くも悪くも農協や昨今はホームセンターに換わられ、商品もプラスチック成型品、ほうき・熊手などの竹製品は中国産。

安くて便利なものがいつでも手に入るにこの時代に、昭和にタイムスリップをしたような錯覚に陥ります。丈夫な竹かご干し物をするとき使う竹ざる、買い求めると月日と屋号を入れて何年も使い込み、それに見合う堅牢度がありました。
作る手間を考えると、先ほどの値段も高いものではありませんが、同容量の中国製なら1/3かもっと安いか。
しかし、今もってこのようなことを続けている人がいることは、やはり感動です。商売ではなく伝承工芸。

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先日も書いた東電のビジネス感覚、目先のコストありきで何十万人の避難者を生み何百万人の営業損害を与えて、「最後のおひとり様まで責任を持って賠償を」と言いつつ社員からまで裁判をおこされる始末。この上1000年に一度の天災に耐えた福島第2原発は「是非とも再稼働したい」との見解。しかし、懸念は天災ではなく人災もあり、被災者に誠意の欠く態度と汚染水処理に人為的なミスを連発する杜撰さ。

竹駒山車

午後はお神輿や山車も出ました。今どきの子供も「喜んで」かどうかは疑わしいものの、親と一緒に山車を引いていました。大手ハウジングメーカーが開発した新興団地の側面もあるこの地域でも、このような風習があることも意外でした。その午後に流れたニュースは、ビットコインの会社倒産。十分予期できたことですが、マネーゲームの正体がまたあらわになりました。

目先の儲け話に狂騒するエリート、竹を切り割きながら竹かごを編みそれを売る人、桜を愛で小さなお祭りを楽しむ人々。山車を曳く子供たちにはどのような未来を用意するのがいいのか、いろいろと考えさせられる春爛漫です。

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春爛漫の福島から
ようやく「春爛漫」の福島です。
桜が満開です、週末は花見日和にしては風が強かったのですが週明けはほぼ無風。このような穏やかな春は久しぶりです。

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政府はベースロード電源は「原子力発電」と示しました。クリミアやウクライナ情勢が安定せず国際紛争の火種を抱え再生可能エネルギーも、掛け声ほど実現が現実的でないとなると、原発頼みにならざるを得ないというのが見解のようです。しかしエネルギーの使用を今後も増やすと仮定した中でのことで、この辺の見直しや「有事」のコスト計算を的確に行った上での選択か、といえばそうとも思えず、安定多数の「わが世の春」と少しでも長く享受したいという目先の利益ありきのような気がしてなりません。

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近所の神社の桜も真っ盛り、平日とあって来るのはお年寄りばかりですが、永田町のお年寄りたちはまだまだ「先を読まない」と言うのか「読む必要を感じないのか」。もっと楽観的に考えて、科学技術は飛躍的に進歩してプロトニウムなどの再処理に成功し、原子力によってエネルギーが安価で無尽蔵に手に入る未来を想像するのか。

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私も輝く未来を夢想することは嫌いではありませんが、先端技術を担うはずだった世界的な大企業、世界最大の民営(?)電力会社の東京電力の体たらく、「高濃度汚染水の移送ミス」などコントまがいのドタバタミスが一向に収まらず、地元首長も「ヒューマンエラー」とずいぶん高等な表現をしていましたが、要は人為的な失敗が続き、国際的にというか世界史に残るような体たらくであって、この上このスキームに乗って未来のエネルギーを託すとなると、「何とかに刃物」状態で、これこそ現実的な見直しが必要と思われます。

春爛漫で抜けるような青空でも、どうも気が晴れません。

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幻の3点セット
桜も7分咲き、週末は満開か。
移動中カメラを準備して撮影スポットを探します。金曜日の平日とは言え有名スポットはかなりの人。勿論そんなところには紛れ込まず、人知れず「人を楽しませる」桜を探します。

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たとえば工場敷地の桜、今に時期だけライトアップします。決してメディアには出てきませんが、つぼみのうちから準備をして開花を待っています。工場の総務課長(おそらく)気合の入れ方がわかろうというものです。

この工場からほど近く、奥羽本線が走っています。山形とか秋田新幹線はミニ新幹線。東北新幹線のようなフル規格ではなく東北新幹線から分岐した後は在来線の線路を走行します。

工場の桜から北方向「虹」が架かりました。虹と桜を同じアングルで撮れればと思いながら道を進むと奥羽本線の踏切が閉じます。秋田・山形でないと見れない新幹線に踏み切りがある光景。しかも、山形新幹線「つばさ」は新型車両を導入したばかり。

桜・虹・新型車両の3点セットの写真が撮れるかと桜を探しつつ列車の通過を待っていると、残念ながら来たのは在来線の普通列車。

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程よい桜は近くになく、虹も電線の後ろになってしまいちょっと残念な写真。踏切で車を移動させるわけにもいかず、期せずして「虹も見た」で終わってしまいました。
春爛漫、あまり贅沢は言わず、まずは目先の風景を楽しみましょう。


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暖かくなりました
花冷えから春暖へ、汗ばむ陽気です。走行中タイヤがバーストし路肩でのタイヤ交換も汗が流れました。

雅桜73

この暖かさで桜の開花も一気に進みます。染井吉野よりいくらか開花が早い雅桜、皇太子妃のご成婚にあやかって命名されたと言われるこの桜、染井吉野よりピンクがかり花一面にアクセントをつけます。

単なる気温だけではなく、高低や気流で開花が異なってきます。少々山に分け入れば、梅花も見事な花をつけ「主役は譲らぬ」とばかり咲き誇ります。艶やかさはないものの、凛とした気迫が梅の魅力です。

梅1

ところが、「放射能で梅の実が売れない」といきなり現実的な話題になってしまいますが。農家にしてみれば金額の多寡より、やはり風評が気になります。

取材7


農家の実情と今後の展望を方度しようと取材がありました。何度同じ事を聞かれても、その都度辛抱強く同じ答えを繰り返します。「がんばります」先ずはこれしかありません。

けしの花

手相を撮っているわけではありません。掌には芥子粒のような小さな「レタス」の種子。風でどこにでも飛びそうな種子ですが、管理で立派なレタスになります。
「放射能災害さえなかったら」どれだけ商品価値が上がったか知れない「芯まで甘いレタス」。しかし、今年もまた蒔き続けます。小さな平箱で苗を作り、畑に移植します。乾燥だと枯れるし加湿だと腐ってしまいます、苦労に苦労し育てると「風評被害何ちゃら」。「芯まで甘いレタス」が一つ間違えれば「㌔幾ら」。農産物の宿命とは言え、苦労の春が続きます。




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花冷え
新年度になって初めての日曜、花冷えです。小学校は明日始業式、中高も7日からの週に新学期、こころ踊る春といいたいところですが、本日の地方紙1面は港湾外のセシウム濃度上昇。
このところの雨でセシウム濃度が上昇したとのこと、ただし基準内と言うこと。節柄、これがトップかと思わぬことはないのですが、気象要因に託ければなんとなく丸く収まると見たか。まずは出鼻を挫かれたような年度最初の休日ではあります。

咲きかけ0

せっかく咲いた桜も戸惑うよな寒さです、夕方には小雪が飛びました。まさに「花冷えです」。時より吹く風邪は体感温度を下げますが、桜の花弁が散るほど開いていないのが救いか。

桜枝7

寒さといえば、今年の極寒気に「住宅除染」を行い庭の芝など根こそぎ剥ぎ取りました。砂だけ入れ復旧作業は春になってから、としていた除染の復旧作業も始まりました。

サバ張り2

除染作業の、物々しい出で立ちながら「芝張り」「目土いれ」「散水」と作業はまさに造園業です。高麗とベント芝を選択できるか?などとは聞き漏らしましたが、3年間我慢した芝の上での日光浴など、今年はともかく映え揃う来年あたりは出来るかもしれません。
平穏な日々を持ち望む市民に、それにしてもお粗末な事故現場処理。雨が降れば雨水で汚染が港湾外まで及ぶ事故現場、訳の分からぬ終息宣言をかつて出した泥鰌首相、このごろトンと見かけませんが。

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福島の四月
福島もようやく桜が開花しました。膨らんだ蕾から、弾けるように一輪二輪。

桜蕾

入替わるように晩冬の色のない庭にアクセントをつけていた「椿」が役目を終えたように花弁を散らしています。

田中将弘がメジャー初登板で勝利、U-17のリトルなでしこが世代別W杯で優勝と春に相応しいような話題も入ってきています。

椿

新しい芽の台頭に席を譲る自然の秩序は、待ちわびる気持ちも惜しむ気持ちも一体になり、四季のある日本になくてはならない風情になるのですが、どうも人間社会は既得権なるモノを維持しようとして、居直りやごり押しが相次いでおり、みんなの党も無理筋を押し通そうと必死です。JAも批判に耐えかねて農業生産の販売の重視など、とってつけたようなことを言い出しました。もともと、対農業者向けのビジネスでは独占企業のようなもの、にも拘らずJAバンクなど日曜夕方はじめ、一般人向けとしか思われないCMを打ち続け、植物工場など一般企業が農業参入を画策すると逆の営農重視を打ち出す、まるで日本の四季のような変わり身です。しかし、日本の四季のような美しさは感じませんが。

つぼみ膨らむ

咲く花も花なら散る花も花、もう少し桜を通して福島の春を紹介したいと思います。

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福島・東京
東京から戻りました。農水省とかつての取引先何件か、1件キャンセルが入り時間が空いたので渋谷から山手線で東京駅に戻らず、新宿に出て中央線経由で東京へちょっと余分に桜が見えるかなと思いまして。東京の桜も満開から散り始めか、さすがに上野で下車して上野公園とまではいきませんでしたが柳などの新芽も吹いて一足早い春を見ることが出来ました。

吾妻8

昨日、1日福島を出る前に撮影した吾妻山。左手の山が吾妻小富士、中央下部に見える残雪が「ゆきうさぎ」でこれからこちらの桜の咲く頃にはもっとスッキリとうずくまる兎の形に見えてきます。

安達太良1

その南方に連なる安達太良山。高村千恵子の詩で有名です。こちらの山々「奥羽山脈」に遮断されその西側の会津地方には放射能があまり流れませんでした、東電の原発の水素爆発後、山脈沿いを南下して栃木県那須や群馬県にまで達したのは知られた話。

会津言えば米どころ、そして観光地。その二つが風評被害で苦戦中とのこと。吾妻と安達太良の間を抜けて会津に至るのが土湯トンネル、福島側からトンネルを抜けると有るのが箕輪(みのわ)皇太子妃が結婚前に小和田家一行で何日か過ごされたとのこと。ここから猪苗代町で引退した上野愛子がよく滑っていたリステルスキーファンタジア、星野リゾートが経営するアルツ磐梯はそのさらに西側です。

その他多くのスキー場が点在しますが、スキー体験などの学生の集客がままならないとのこと。学生と言っても侮れません「楽しかった」思い出で社会に出てからリピーターになります。この連鎖が立ち消えることは目先の損失だけではありません。


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