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農業再生
関西から戻りました。どうも、今まで大阪は通過点で短期間でもとどまるという事がなかったのですが、梅田の会議室から周辺部の視察と、少々の移動でも初めての土地ははじめて見るものが多く「これがそうか」と思わせるものがありました。
電車の車窓から「金鳥」の看板が現れたと思ったら長居スタジアムで、蚊取り線香の金鳥とスポンサー契約を結んでいるのでしょう。長居スタジアムをフランチャイズにするのがJリーグのセレッソ大阪、最近売出し中のFW柿谷の所属チームですが、歴史的には伝説のストライカー釜本のいたヤンマーディーゼルの系譜。突然現れた蚊取り線香との違和感が「なんとなく大阪的」なのか、もっとも大阪に行われたた同様のセミナーが仙台で開かれたとき、広島からの出席者に「Kスタ宮城」の場所を聞かれました。通販サイトの楽天が運営する東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地が県営宮城野球場、所有者の宮城県教育委員会の外郭団体が日本製紙に命名権を売ったため「クリネクススタジアム宮城」であり、通販と野球と東北とティッシュペーパーが渾然としてしまっているので、「大阪のことは言えん」と言う事かもしれませんが。
遠景で見た阿倍野の高層ビルよりも車窓に突然現れた「通天閣」もなかなか印象的で、これが「空に灯が点く」と言われた通天閣かと思われるほどこじんまりと見えましたが、もっとも先の仙台でのセミナーも仙台駅近くのビルの30階で行われたのですが、かつで高層建造物と言えばデパートでしたが仙台の30階の会議室から青葉山方向を見ても、Mデパートは少し看板が見えるだけ、Fデパートに至っては看板も見えない状態で、高層マンションやらテナントビルやらの陰になっていました。21世紀の高層建造物の時代になったのでしょうが、デパートに行くのは特別の日で「大食堂のホットケーキ(お子様ランチが嫌いでしたので)」がこの上ない楽しみだった世代にとっては少々の寂しさはありました。

大阪の話と東北の話が渾然となりました、懐かしむ話ではなく「現代を生き抜く」ビジネスの話が大阪行きの根源です。


試験栽培9

大阪でも、彼の地の代表的な企業が「農業」に取組んでいる状況を拝見してきました。より農業が地域の基幹産業になっている東北としても身が引き締まる思いです。「植物工場」的な生産手段も否定はしませんが、生産手段なのか設備産業の支援なのか判然としないところが気になります。この写真は当方の栽培試験農場ですが、豊饒の大地に喰い込む植物の根茎と日光を浴びる葉が「おいしさ」や「健康」の原点であるような気がしてなりません。

とは言え情報や物流も含めた先端技術化や産業競争力の向上も当然必要なので、そのような開発もさせて頂いています。

トラクター

原発事故さえなければと、一昨年の3.11以来思わぬ日はないのですが、それは思っても「詮ないこと」というしかないのかもしれません。
大阪のおばちゃんは、大半がヒョウ柄コートかと思っていましたが、そうでもない事は良くわかりました。
福島も全部が全部賠償金が潤っているわけではありません。再生の芽を育てながらこちらもががんばって行きましょう。
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木枯らしに菜花
晩秋、11月末ともなると東北は「紅葉」よりも冬木立。
しかし、冬の鍋料理用の「野菜」ではなく、サラダ素材でがんばる野菜もあります。

nabana.jpg

最近家庭菜園でも人気の菜花(なばな)ですが、プロの手にかかると一味違います。堆肥の使い分けの試験を願いしていた須賀川の石井さんの圃場。8月の播種(いわゆる種まき)から、残暑、大雨を経て霜に耐えておいしさをキープしています。
もともと有機志向の石井さんですが、堆肥の質で作型が大きく変わることを身をもって体験しておられます。そのようなプロ農家に比較試験をお願いするのも恐縮ですが、経済活動は脇に置いていただいて快く引き受けていただきました。

ishi4.jpg

結果はともに上々、むろん堆肥だけで栽培するのではなく、有機肥料との兼ね合いと言うか相互補完が重要なのですが、その辺りが「上手くはまった」ということなのだと思います。

3年半前に対向車線からセンターラインをオーバーした大型ワゴンに衝突され、強く首を捻った「頚椎捻挫」が季節の変わり目、特に向寒時期には症状が悪化します。とりあえず石井さんのような農家の笑顔と提案技術の好結果に励まされながら、また情報を蓄積していく日々です。

明日から3日間は関西です。「おばちゃんパワー」をチャージできたらと思いますが、逆に吸い取られたりして。いずれにしても農場巡りが続きます。

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風評被害の払拭
23日も先日の食品商談会と同じ開場、ビックパレットふくしまで、いわゆる「風評被害」払拭のためのイベントが開かれました。オーガニックフェスタ、有機生産農家と消費者の交流の触れ込みでしたが、ここには他県と違う実情があります。

横kannbann
正直、風評被害対策も少々食傷気味で、現場の人間がどんなに説明しても、肝心の事故現場から毎日のように「流出していた」「漏洩の可能性」「井戸から高濃度の放射線量」と報道されると、関係者・支援者はともかく一般消費者は「状況が落ち着いてから」と言いたくなるところでしょうが、農業の場合は特に生産活動を中止すると再開まで相当の労力が掛ってしまいます。また、マーケットから忘れられてしまうとその挽回までには想像を絶するような苦労と時間が伴います、もちろん経費もですが。

支援していただいてこのような表現も何ですが、「風評被害払拭」と言うと予算措置が受けやすい実情もあります。

福島県が生んだ大物女優「秋吉久美子」も人寄席パンダではありませんが、来場して「がんばろう東北」をアピールしました。

秋吉久美子2

調べてみると、映画「深い河」で日本アカデミー賞主演女優賞を受賞した名女優ですが、私的印象では藤田敏八監督の「赤ちょうちん」「妹」「バージンブルース」の印象が強く、社会派と言うより、底辺で健気に生きる若者の生態を演じたらピカイチの印象なのですが、ともあれオール福島、オール東北で事故が風化されないように被災地の現状をアピールすると言うことであれば、まずは目立つ分適役と言うことでしょうか。
会場の広報から長いレンズで取ったのですが、光量不足で多少ブレてしまいました。ちなみに左の白髪の男性に隠れてしまった白いスーツの女性が森雅子消費化担当相、兼務の秘密保護法案担当の方が最近は忙しそうです。もともと弁護士ですが本職の法律論にしても、発言に野党時代の切れ味が出ていないのが気になるところです。

ブース9

福島県の公募事業で公表された放射性セシウムの移行抑制効果、流通経路を特定できるシステムなど、当社ブースでは「情」より「理」を重んじた内容で出展しました。
来場する消費者は、元気に餅など搗く姿で「がんばる農業」をイメージするのかもしれませんが、やはり長期戦となるであろう放射能対策は「がんばってます」だけではすみません。

どこまで続くか「放射能災害」。運転停止中で隣りの3号炉からの水素ガスで建屋が吹き飛んだ4号炉。その核燃料を取り出すだけでこれだけ騒がれる事故現場、熔解した燃料棒が存在する1~3号炉の収束まで気の長い闘いは続きます。そては事故現場だけの問題だけではありません。

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いわゆる「風評被害」
風評被害にしつこく「いわゆる」を枕詞のように付けるのは、福島原発事故に関る風評被害が過去の事例とは全く次元が違う「広さ」と「深さ」を持つこと。

ブース8

去る12日に、郡山市のコンベンション「ビックパレット福島」で地元銀行主催の「食の商談会」が開かれました。今回7回目とのこと、一昨年はこのコンベンションホール自体「避難所」になっていてコンベンションどころでありませんでしたが、やはり震災=原発事故以降このような商談会の意味が違ってきています。

TPPや減反、所得保障制度の見直しに揺れる第1次産業ですが、その上に「いわゆる風評被害」があまりにも重く圧し掛かる福島です。

吊幕0

当然このような催しは、「売りたし」と言う希望が「買いたし」のニーズを上回るので、個別商談の希望を出しても売り手側は個別商談までは辿り着けないのが実情で、時間帯で分けた8個の商談枠の内、せいぜい2枠か3枠取って貰えればばよいほうですが、放射能災害以前は全ても枠が埋まる、つまり買い手側のニーズが非常に大きいと言うのが弊社の商談でした。

高度に差別化された(食味や生産管理に優れた)有機栽培農産品を安定的に供給します。ですから、店舗でも加工した商品も価格競争によらずに売れますよ。という技術力とシステムは多くのバイヤーに訴求力をもって受け入れられたのですが、原発事故以降は「福島産」というだけで二の足を踏まれるようになりました。

梨1

残念ながら、当日に今年の「ふじ」りんごは間に合いませんでしたが、最晩生梨や秋野菜は相変らず品質味覚に高い評価です。
しかし、品質が高くともデータを示しても、毎日のように原発事故現場から報道される汚染水漏れをはじめとするネガティブ情報は、国民=消費者の深層心理に影響を与えるようで、支援需要以外は低迷したままと言うか逆に無意識に忌避する傾向が強まったようです。

このような、良質食材であると言うアピールが、「漏れてました」「情報公開に不手際がありました」「大雨なので仕方なく流しました」「地下タンクは漏洩のリスクがあるので使わないことにしましたがやっぱり使います」。爆笑コントのようなやり取りにかき消されて「風評被害払拭」と言う努力が吹き飛んでしまいます。しかし、そのほかに行うべき選択肢がそうない分アピールは続けなくてはなりません。
砂に水を播くような行動が続きます。

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晩秋の色
小春日和でした。
仕事上のプレゼンがあって山形市へ。以前、頻繁に山形に来ていた時期もあるのですが、当時は栗子峠を越えて13号線で米沢、南陽、上山、山形。または小坂峠を越えて宮城の七ヶ宿から高畠、上山、山形。山形からは分岐して寒河江から月山新道で庄内、13号線をそのまま北上すれば天童、東根、新庄へ。
福島の感覚だと街道を外れて山の麓や中腹に温泉なのですが、山形は赤湯、上山、天童、東根と町の中に温泉があります。

小松菜0

今朝は霜の降りた試験圃場で小松菜の生育を確認、ほぼ順調に生育中。有機栽培特有の葉色の薄さですが、これから寒さにあたると緑が濃くなります。一見すると化学肥料による葉色の濃さと見分けるのが難しいのですが(食味では違いが簡単に判ります)、画像のデジタル分解で食べずとも分かるようになりました。科学技術の進歩は恐るべきものがあります。

今日の山形でのプレゼンは、そのような事例紹介を含めてのものだったのですが、それとは別に晩秋の風景が堪能できました。行程は以前と変わって東北道を村田で分岐し山形道で直接山形市へ、福島市内の試験圃場からプレゼン開場の山形県高度技術開発センターまで丁度1時間30分。福島~米沢間で1時間以上掛っていた頃から見るとずいぶん便利になりました。

3年半前に交通事故に遭った「頚椎捻挫」の影響で、同乗できるものであれば自ら運転はしない方針。幸い同乗者が居たので運転は任せて、やや遅めの紅葉を見ながらの峠越え。宮城と山形の県境、笹谷峠はまさに小春日和、プレゼンは忘れて至福の思いで青空の下の紅葉を見やりました。

りんご3

りんご「ふじ」の収穫にはまだ少々早いのですが、早生のふじ系りんご「やたか」などはそろそろ収穫の時期。青空に映える赤いりんごは晩秋の東北のシンボルのようなもの。福島と山形は原発事故でその明暗を分けましたが、米どころでもある山形は、TPPやら減反奨励金の廃止やらでこちらも「正念場」です。
進む高齢化といやおうなく迫られる農業改革、小春日和の後の「木枯らし」と「風雪」。そして春は来るのか。岐路に立つ東北です。
おらほのお祭り
東北は、11月の声を聞くといっそう晩秋の色が濃くなります。今年は「楽天ゴールデンイーグルス」の活躍で少しは「燃える秋」でした。めでたく優勝で幕を閉じましたが、災害復旧の遅れなどの状況が好転してるわけではありません。

何年か振りに、生まれ故郷の「祭礼」に参加しました。ここ数年、けが、出張、身内の不幸などでお祭りにはご無沙汰をしていたのですが、当たり前のように顔を出すと当たり前のように迎え入れてくれるところが、やはり故郷の故郷たるゆえんです。出張と書きましたが、一昨年のこと「例大祭」とは言え凶事があると神輿は出さないのが通例、古くは昭和天皇の病状悪化、平成5年の大冷害でも祭礼が自粛になりました。

平成23年は東日本大震災で騒乱状態、当然自粛と思われたのですが「逆にお祭りで盛り上げましょう」と言う機運からか祭礼実施。自粛を見越して、例大祭当日に所用を入れていたので結局不参加と言う事もありました。
五穀豊穣64

秋の祭りは、基本的にその年の穣りを感謝するのが慣わしで、当然「五穀豊穣」を祝すということですが、どうも「豊穣」を祝せないのが昨今の状況。TPPの聖域五品目の問題は、裏シナリオ通りの進行としか思えず、ここにきて減反政策の見直しとのこと、それも段階的にと、まさに真綿で首を絞めるが如く。
この地域の稲作の問題は、セシウムよりも獣害。我がもの顔で闊歩するイノシシに手を焼いているのが現状、これとて遠く離れた避難区域が人の住まない「野生の王国」になり、そこで繁殖した鳥獣が区域外にも流出していて、しかも野生の茸や木の実などを食べるためセシウムの「体内濃縮」が進み、捕獲しても食用に適さないなど、原子力災害とは相当因果関係のある被害なのですが。

それはともかく「五穀豊穣」の文字がなんとも寂しく見えてしまいます。

花2

秋だというのに何故か「牡丹」を模した花屋台、伝説や歴史伝承、時事話題を盛り込んだ山屋台など、例年通りの秋祭りが今年も行われました。
例年通りも例年通り、山車の引き手もみこしの担ぎ手も、顔ぶれがほぼ何年も変わらないのは「高齢化」を如実に物語っています。
高齢化といえど、地域コミュニティがまだ存在していることは立派なもの、知りあいの「神官」も息子の「禰宜」を公家装束で誇らしく連れ回していました、遠くから見るとなんとも雅です。

ヤマ3

山屋台と呼ばれる飾り屋台も今年は「八重の桜」「楽天マー君」「海女ちゃん」商標の関係でもありませんでしょうが、あまちゃんと書かず海女ちゃんと書くところが、うっかりミスか事情があるのか。わずか300軒足らずの集落で、にわか人形師達の労作です。
観光化された祭りとも違う、日常の生活の中にある祭り、このようなコミュニティが今後とも続くことを願っています。

神輿6

つい何日か前は「ハロウィン」。どこの保育所か、福島市内でも仮装した子供たちが保育士に連れられ歩いていました。かぼちゃの帽子の子供もかわいいのですが、何も遠く応酬ケルト人のお祭りを、八百万の神がいて、丁寧にキリストの誕生日まで祝う日本に持ってこなくても良いのに、とつい考えてしまいます。

もっともあと何日かで、各神社は七五三のお参りに賑わいます。これも子供が持ち望んでと言うより、ジジババの張りきる舞台。少子高齢化で数少ない孫たちに群がるような高齢者。まずは微笑ましくも、ちょっと寂しい現象ではあります。



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