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原子力災害と柿の話
いつか書こうと思っていた「柿」の話を書きます。
福島の干し柿は原子力災害で大変な影響が出ています。「東京電力の対応」や「日本の農業のありよう」について象徴的なことなので、何度かに分けて述べたいと思います。

ヒラタネ0

、福島県北部、特に伊達市周辺は柿の産地、皮を剥いて乾燥させる干し柿の生産額では日本有数で特に「あんぽ柿」と呼ばれています。生柿に加工をして付加価値を付ける、今で言う6次化のはしりのようなもので、押しも押されもせぬ地場産業として、永年地域の経済を支えてきました。

上の写真は「平核無」と言う品種、核が無いと言うのもなんとも皮肉な品種名ですが、文字通り「タネ」が無い品種で庄内柿などもこの品種にあたり、比較的渋柿としては一般的なものです。

蜂屋6

こちらの柿は蜂屋柿、大きく先が尖がっています。あんぽ柿はこちらのイメージが強いかもしれません。何れにせよ大変な面積の柿が栽培されています。

「あんぽんたん」と称してあまり良い扱いはされず、昔懐かしい故郷の味というイメージで、温泉土産のような取り扱いをされていましたが、20年ほど前に革新技術とともにイメージアップしました。まず外的要因として、自然食品、天然(果糖)の甘さ、ファイバー(繊維)食品で整腸作用に良いなどの健康志向食品として話題になったこと。これは私も深く関って来たのですが、不安定な天然乾燥だけではなく、遠赤外線などの乾燥手段を入れたこと、もう1つが脱酸素包装で日持ちが飛躍的に伸び衛生管理が出来るようになったこと、この2つについては企業として相当の貢献をしてきたと言う自負はあります。
大げさに言えば、農家の軒に干し納屋で詰めていた農家の副業的な作業が、専門の乾燥施設があり、衛生管理の出来る作業室を設けたこと。

試行錯誤でここまで来て、それなりの投資もしたところで放射能問題です。生柿を乾燥すれば重量が1/3~1/4に減ります。逆に言えば乾燥し蒸散させる水分にセシウムが含まれないので、重量あたりのセシウムは濃縮されます。
これは出荷者にとって死活問題です。昨年も柿の木の表皮を剥す除染が行われ、今後も外部からセシウム濃度を測る測定装置の開発などは行われるでしょうが、マーケットに携わる人間は売場から1年2年遠ざかった商品が、戻ったとしても同じように売れるかどうかは?であり、端的に言えばもう売場は消滅していると思ったほうが良いでしょう。
いかに営業努力をしても、もう元通りには売れないとプロの常識。さらに中断の原因が放射能では・・・。

さて、東京電力の見解は賠償は営業補償のみ、単年度の売上げの落ち込み分は想定の利益分のみ賠償というもの。産業として消滅しかけているのに、なんとのんきなものでしょう。将来の事業設計は、施設の償却はと農家の心中は察するにあまりあります、いうなれば被害者と業務上過失のあった加害者の民事の問題といえ、深刻な情況に傍観している国の体質も問題があります。
復興予算が遠く九州で訳の分からないことに使われていた等の報道もあり、事故から1年半以上も経過してなお、混迷を続ける被災地です。
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秋晴れです
さわやかな秋晴れです。冷気も気持ちの良い、湿度も低く人間にとって一番過ごしやすい気候かもしてません。

遅々として進まないというのが慣用句になっていた除染も、少しは目に見えるようになりました。しかし捗々しくは進まないのもまた現実です。

比較的大きな公園に続き、小規模公園も除染が行われています。管轄が異なると全く取り扱いが異なり、公園緑地課が管轄する子供遊び場と教育委員会が所管する運動公園は進め方や時期が異なってきます。行政機関の外部から見ると全く分からない世界ですが、このような緊急かつ非常時でも行政の縦割りは健在のようです。

公園除染

担当部局も心得たもので、問い合わせれば「縦割りの組織でご迷惑をお掛けして申し訳ありません」とはっきり応じます。ここまできっぱり言われるとなかなか二の口も告げられません。分かっているんならしっかりしろと言いたいのは山々なのですが・・・。

児童遊び場

狭い子供遊び場は外部からの線量も拾うので、なかなか下がりません。しかし、こころ地域でも来年度の6月から面的除染、つまり宅地も道路も空き地も地域の面全体を除染する作業が始まります。とは言え、あと8ヵ月後にやっと着工、低線量の目処が立つのはあと1年でしょうか。自衛措置の対応も怠れません。

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有機循環
福島の有機農産物が売れません。「安心」「安全」を謳い文句にポスト原発の地域振興に推し進められてきた経緯もありますが、推進していた知事の失脚、なにより当の原発の事故により地域のブランド力が著しく失墜、福島と付いただけで食の安心感を求める客層からは敬遠されてしまいます。

それは科学的でないという指摘はありますが、とりあえず農業は『なりわい』ですので買っていただけなければ話になりません。
ですので有機に変わる顧客訴求力のある看板が必要になります。従来の看板・ブランド力が消失した訳なので、問題の根源である東京電力も関わって、対応するための費用も拠出するような問題なのですが、東電は相変らず「遺失利益」の支払だけで「誠心誠意被害者の皆様のお立場に立って」と言う決まり文句とは裏腹に何もしていません。

しかし、「なりわい」を維持して行くからには他の手だけを考えなければなりません。
有機性廃棄物を循環させて社会貢献をしつつ、消費者のご理解を頂くような手立ても考えなければなりません。昨日はその視察でした。

攪拌前
攪拌
堆肥
せいたい

要素技術だけでは、なかなか話は進まないのでやはりシステム化が必要と言うことになります。

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柿と稲
東北の秋は駆け足です。先月の秋彼岸頃までは、際限なく続くように思われた残暑の秋も、10月の下旬を迎えるともう晩秋の佇まいです。

柿

秋の風景「柿」撮影現場は福島県伊達郡。古くから知られた柿の産地、皮を剥いて干した柿は「あんぽ柿」と呼ばれる一大ブランドでした。
乾燥すると内包されたCsが濃縮されるため今年も加工を諦めました。このことはこれ以降もまとめて触れて行きます。
今日のところはこの写真だけ紹介します。
素人目に見ると、見事にたわわに実を付けているように見えますが、これは栽培を諦めた証拠なのです。栽培する柿は剪定などの管理によって付ける実を制限します、そして満遍なく日光が当たるように管理します。そこで大粒で糖度の高い果実が収穫されます。

ですからこのように立派な柿の木ながら、枝葉が伸び放題伸び、柿の実が密集して付いている樹木を見ると栽培を諦めた様子が分かります。

原子力災害から果樹生産も2シーズン目、いつも書くように「ただでさえ厳しい日本の農業経営」振って湧いたような放射能災害が情況をより困難にしています。

稲こき

傍らでは乾燥した稲穂の取入れが行われていました。「放射能検査の便宜上、極力火力乾燥にしてください」そのような通達も置くな割れますが、この天日乾燥のお米が一番美味しいのです。
放射能検査は無料でも火力乾燥にはコストが発生します、今まで準備していたバーベスタ(移動式脱穀機)などの焼却コストはどうなるのでしょうか?
まるっきり不備な東電や国の損害賠償体制が「里の秋」の混乱に拍車をかけます。

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仮設の暮し
仮設3


原子力災害の損害賠償を、とやかく揶揄する向きもありますが、やはり悲惨者の生活現場に行ってみるととにかく悲惨です。飢えとか拘束とは違うものの、とても健全な社会生活を営めそうな場所ではありません。

床屋

あくまでも仮設で、定住を前提にしたところではないと言うものの、避難所から移り住んで、または村を追われてもう1年以上も経過しています。仮の町や帰還も未だ構想段階、カレンダーに記しつけてそれを待つようなタイムスケジュールではありません。
放射能際涯から日が経つにつれ、仮設今日中の方との知り合いも増えてきました。最近は相当奥まった場所まで伺うようになりました。別に秘密基地ではないので、隠す訳でも行けない訳でもないのですが「興味本位」のような受け取りからをされると困るので、必然的に行く機会があってはじめてなかを拝見しています。

江戸時代の棟割長屋ではないのですが、それなりのコミュニティも出来ているようです。

集会所

仮設の集会施設の向こうに見えるのが福島北警察署、治安上はこの上なく安心なのですが「何もここまで近くなくとも」と言うのが住んでいる方の声でした。

ペイント1

厳しい制約の中にも、何か遊びや潤いを求めるのも人間の本性、棟の恥であることを使用してペインティングを施しているお宅もあります。

よく見ると、国花の桜と国鳥のキジ、何か意図、それも強い意志があるのでしょうか?オリンピックのあとは竹島・尖閣、日本のナショナリズムがへんな方向に向かうなか「ここも日本、われら日本人、福島モ忘れてくれるな」ノン飲めセージか聞こえるようです。

ミスターミナル4

隣りの区画は仮設住宅がやや日本風のつくり、東日本大震災では被害が広範囲に及び日本中から資材を集めたのでしょう、一律の造りなど望むべくもありませんが、飯場・物置・山小屋風とにかく多様なつくりが建っています。
今年の夏菜暑さは身に堪えたでしょう、これから厳しい寒さがやって来ます。福島盆地は積雪は多くありませんが乾いた寒風が身を切って行きます。
秋の青空の向こうで、晩秋、初冬そして厳寒が待ち受けています。水の温む頃には移転先が決まっていると願わずにはいられません。



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医学会の研究集会に参加
ips細胞をめぐる研究成果と報道について、日米をまたにかけて大騒ぎですがノーベル賞の余波といったところでしょうか。
今回の研究集会は基礎研究ではなくて臨床、どちらかというと地域医療平たく言うと「梅ちゃん先生」の世界の先生方、しかし日本人の健康や地域医療を支えている分野です。

ですのでテーマも幅広く、医療の素人も話を聞いているだけならば内容も理解できます。とは言え専門家の研究集会ですので発表内容に対する反応も厳しく、昨年話題になった携帯電話の電磁波問題、事例を挙げて電磁波が引き起こす健康問題(と可能性)を報告している最中から、聴取席からは「携帯電話の普及前からあった症例」と一蹴されていました。

DSC_0160.jpg

このところ学会、研究集会は何度か場数を踏ませていただきましたが、なんともおどろおどろしい世界で毎回気後れしつつの参加ですが、口頭発表で博多歯科医師の「放射能か出の健康被害と風評被害を防ぐため、県民はどう戦っているのか。医療者はどう支えていくべきか」、幕田の担当したポスターセッション「被災地の生きがいと産業形成のために」とも概ね好意的に受けとめられたようです。


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<用意した事例データも午前中にはなくなりました。個々の質問の受け答えをすることが出来るのがポスターセッションのいいところです。
聞くところによると今回の参加者は500人規模、記念講演の香山リカ精神科医の知名度が効いたのか結構な動員力です。タレント学者の力を借りずとも福島の現状と復興を知っていただく機会が増えることを願っています。

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酪農家の悲しみ
原子力災害の対応は、地元の人間がいくら聞いても分からないほど複雑怪奇を極めます。まず20キロ県内30キロ圏内と言う線引きの問題。事故現場から同心円状に規定した圏内とは行政区分と汚染地域とは別の問題で、被害の実態を反映していません。
そこで営まれてていた多様な業種業態、ですから、事故対応も複雑です。全く立ち入れない、なので動物は放置か餓死、飼えるけど地域外の持ち出しは禁止、通常通り生産出荷が可能でも風評被害で売れな、いまたは買い叩かれる。

子牛2

人間界の大混乱を知ってか知らずか、動物はいつものように草を食んでいますが、この飼料ひとつとっても問題の種はつきません、深耕した牧草畑の草は与えていいが、それ以外のものは禁止、検査の結果不検出でも給餌は罷りならんのだそうです。農家の心情はもちろんですが、深耕した(つまり形のうえでは除染した)ところでも不検出とは限らないので、このようなことを通達指導しなければならない県職員もさぞやストレスが溜まることでしょう、もっともストレスなど無縁の横柄な担当者もいますが。

酪農43

先ほどイリノイの知人から届いた情報ですが、立ち入り禁止で放置、餓死した家畜は別として辛うじて飼われていた動物も衛生状態その他で死んで行くものが増えているそうです。それを米国では放射能の影響で死んでいると報道されているようで、これはこれで大きな問題です。
技術立国たる日本、技術や人材以外に天然資源などない日本にとって、放射能垂れ流しで、動物が斃れていくような報道はいくらなんでもダメージが大きすぎます。
ことによれば尖閣やオスプレイより重要な外交案件なのかもしれません。

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ゴールドラッシュ
福島の金木犀は今が盛りです。例の香りを周囲に発散し,秋の盛りを告げています。
まさに金色の花も未だ散り落ちることがなく、何かと暗い話題の多い福島を元気付けているようです。

金木犀0

昨年の今ごろ、足しげく福島に通い除染の提案をしていた関西の大学教授連もめっきり見せなくなりました。その後話題にしていた集団訴訟もこの頃はトンと聞きません。科学の本道が行くごときの物言いに、それほど科学者としてのポリシーを感じていなかった私等は「お手並み拝見」をしていたのですが、あんのじょう提案技術が 民間からも政府系からも相手にされないと察するとトンと音沙汰もありません。
向こうでも福島県人の意識の低さでもあげつらっているのかもしれませんが、福島でも当時の関係者が顔を合わせるたびアホ大迷惑教授の話になるので、まずはお相子でしょうか。

原発事故下で苦しむ福島で新技術を投入して一括千金をもくろむ向きは相当あります、さすがに人の良い福島県人も1年半を経過するとなんとなく話を見聞きしただけで、おおよそ真贋の見当がつく(学術上の使命感を否定するわけではありませんが)ようになります。
一括千金だろうがゴールドラッシュだろうがもたらす技術が卓越してれば何の問題もないのですが、困ってしまうのが後始末もせずに姿を見せなくなること。中に立った地元の研究者も「私はただのお手伝いでして」と、週刊誌のグラビアに登場していた頃の歯切れのよさはありません。

1849年に始まったとされるアメリカのゴールドラッシュ、一括千金を夢見て東海岸から陸路で太平洋を海路でカリフォルニア州に集まりました。ビジネスを語る上でよく言われる例えですが、ゴールドラッシュで儲けたのは金鉱を掘った人ではなく、砂金採りの労働に向いた作業ズボンを売ったリーバイス。福島県人もこのくらいの商魂があったほうが復興の早道かもしれません。

熊谷堆肥

葉タバコから100Bq以上の放射性セシウムが検出されたニュースが流れました。土壌汚染がそれほど多くない地域、葉タバコの属するナス科は決して移行係数が高くありません。タバコ耕作組合は早速東電に損害賠償を請求するとしていますが、それは当然としても原因の究明と再発防止が先でしょう。
セシウムの動体については未解明の部分は多くありますが、賠償問題を先に持ってくると指導不足への責任転嫁ととられても仕方がありません。セシウムの移行抑制をK成分の効果だけと思い込んでいる早瀬久美子さんと言うおばさん学者レベルの知見では汚染地域の難局は乗り切れません。

はやくも現地では来年に向けての土つくりが始まりました。移行抑制などは最低限の課題、同じ条件の生産物では福島産は販売に際してとてつもないハンデを背負わされています。
安全で新鮮で美味しいものを効率的に、農業と生活基盤の再生に向けて懸命の努力が続きます。

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近所の公園でも除染が始まりました
オスプレイに尖閣・竹島、大津のいじめ自殺の話題もこのごろ聞きません。目まぐるしくかわるニュース・トピックに翻弄される日本。
千年に一度の大地震がもたらした「人災」、原発事故も遅ればせながらの対策に被災地は翻弄されています。自民党の新総裁(再総裁?)も事故現場を訪れ、「未だ収束していない」と当たり前のコメントを述べていましたが、収束宣言した現内閣への対抗上の言葉でしょうか。
現場に乗り込むのも結構ですが、各地の爪あとや住民の不信、不安にも目配せをしてもらいたいものだと思います。

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猫の額ほどの、近所の公園でも除染が始まりました。市の公園緑地課の担当する本年度事業44箇所の一つとのこと、未曾有の際涯下でも縦割り行政は健在のようで近所の除染場所でも、管轄が違う、事業が違うさらには予算が違うと虫食いのような除染作業の進行です。
ここも、看板だけはにぎやかに立っているのですが近所への説明や埋設場所の確認も業者任せ、指摘をすると担当者から業者に指示しますと一報が入ったのみ。もっとも、通常の行政機関の業務は相変らずあるわけで、放射能際涯に関わる業務はさらにその上に載ってくるもの、何年か前から事故を想定して人員確保や教育をしているわけでもないので市の担当者もお気の毒としかいえないのですが。

DSC_0130.jpg

奥まった路地でも法定通り交通整理の人員も付け、型通りの作業をこなすのは「さすがに日本人」と言いたいような律儀さ正確さですが、指示が欠落するととたんに作業が進まなくなります。
ともあれ、世界が注目する事故処理です。「さすがに日本」大2次世界大戦の廃墟から立ち直ってきたバイタリティも発揮したいところですが、リーダーがと言うのは無いものねだりでしょうか。
エアスタブリッシュメントの質の低下がどうしても気になります。

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運動場の除染が始まりました
テニスコートのなかで窮屈そうにバックホーが動いています。気づかなかったのですが、ここはクレーコートではなく人工芝。表面、なかのシートと丁寧にに剥してゆきます、さすがにショベルでは畳めないのであとは人海戦術、根気のいる作業が続きます。

テニス

根気の要るといえばコートの脇の側溝掃除、セシウムは水に溶解しないとは言うものの土や木の葉に付着して流れ込み線量を上げます。これも機械化といわず手作業、一輪車の土の行方も気になります。

側溝

歓声が聞こえる筈のバックネットの前も聞こえるのは作業指示と重機の音。いま岐阜県で国体のようですが、福島国体のときはここでソフトボールが行われました。福島のソフトボールにとっては聖地のような場所。聖地を整地というのでは洒落にもなりません。

球場

サッカーコートの法面も重機と手作業で表土の除去、ここは芝生の緑が鮮やかでした。元の緑に戻るのに何年掛るでしょうか。
東北地方の倒産件数は統計を取り始めてから過去2番目の低さ、「復興需要の影響か?」とニュースは伝えています。しかし橋や道路を作るのと違い建設的な作業ではありません。住民の健康を守るという重要なミッションはあるものの、なんともやりきれない作業が続いています。


法面8

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昭和の写真ではありません
仕事の通りがかり、全く懐かしい風景に出会いました。稲刈りも少々小さな水田でもコンバインが入り込み、稲を刈りつつ脱穀まで済ませ、籾が乾燥機に運ばれるのですが、稲刈り機で稲を刈り「はせ」で乾燥させる作業も行われています。

稲刈り

さらにそれ以前は鎌で刈っていたのでしょうが、それでも懐かしい風景です。このような作業で収穫されたお米の方がきっと美味しいのだろうと思ってしまいます。「非科学的な」と言うなかれ、天日乾燥のほうが美味しいのはまず間違いないでしょう。乾燥というと洗濯物のように熱や日光が水分を奪うと考えがちですが、天日乾燥では寒さも決め手、凍みないと水分が落ちないと言うのは米作農家の常識で、まさに科学的な考察を超えたを超えた自然の力です。

小雨

しかし、効率化、コストダウン、近代化(これも懐かしい表現ですが)めっきり少なくなった光景で、まるで昔の社会科の教科書の「農村の作業の様子」にでも出てくるようなアングルに思わず何枚かシャッターを押してしまいました。
もっとも今は学校でも社会科とは言わず公民とかと言う教科のようで、こちらもいろいろと時代錯誤を指摘されてしまいます。

玉鈴

しかし、日本人は本当の誇り高い民族だと思います。戦後エコノミックアニマルと呼ばれ経済競争に打ち勝って国を富ませてきましたが、このところ後から追いかけてきた新興国の前に窮地に追い込まれているようです。
しかし経済合理性にはない食糧の生産や環境をまもる活動も行っています。このような水田つくりがどれだけ国土保全や治水に役立っているか、貨幣価値では量れません。

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