
農業用のトレーラーに丸太が乗せられて運ばれています。農家の方が家や農地の周囲の立ち木を伐採したものです、言うまでもなく除染のため。庭や公園の植え込みを除去するのとは訳が違います,広い面積を単独で作業しなければなりません。しかし、居住や生活空間の線量低減はどのような環境に生活いても必要なものです。しかも伐採後の汚染された樹木を片付けなければなりません。 決して農作業が暇ではないこの時期に、寝る間も惜しんでこのような作業をしています。残念ながら、このような自前の作業は東京電力の損害賠償の対象にはなりません、領収書を発行する人がいないからです。東電からの返答は「領収書がないと」で終わってしまいます。もっとも「見積」「納品」「請求」の各書類をそろえて、弁護士がどう考えても妥当と思われる支出についての請求を行っても、「社内規定により」で一蹴されてしまうのは前回も書いたとおりです。
放射能災害が発生しなければ、する必要もない作業に忙殺され、しかも健康や経済的リスクなど心労の種の尽きない農家がいる反面、関係者と「暇ですねこの人たち」と大爆笑した話があります。

畜産農家や有機性廃棄物の堆肥化業者が、放射能災害以降堆肥の流通が滞り苦境に立っています。汚染リスクを嫌って農家が堆肥を使いたがらないのと、放射能分析で堆肥の放射能が低くても生産物が風評被害で売れないので有機生産をする意欲が減退しているのだそうです。 したがって堆肥場には引き取り手の無い堆肥が山積になり、先日そこから自然発火して小火が発生しました。嘘のような本当の話です。 牛はきれい好きなのにも拘らず、糞尿の堆積の上に飼われているというのは全国紙の伝える通りです。
先日そのような中で、朗報がありました。既報になりますが「EMオーガアグリシステム標準たい肥」が小松菜の栽培試験によって放射能の作物への移行が抑制された報告が公募事業として実証実験を行った福島県農林水産部からありました。となれば、放射能災害以降お荷物になっていた有機性廃棄物が適切な発酵により、放射能の対策資材になることになります。 早速、先週末関連の企業や農場で「EMオーガアグリシステム標準たい肥」を生産流通させる対応について会合を持ちました。 席上盛り上がったのが、「EMオーガアグリシステム標準たい肥が放射セシウムの移行抑制について対照区に対し有意差が確認された」趣旨の発表に対し、ネット上で騒がれてた「やれEM菌は放射能を消せる消せない」、「作為だ捏造だ」と言い出す始末、県の発表内容とは関係ない場外戦で、中にはよくわからない論拠で県発表の棒グラフを作り直す人までいて「福島以外は暇人多いよね」と言う話題でした。 別にルーチン的な発表に、これだけの混乱をするのは「水鳥の音にも大混乱した平家みたいなもの」えらく歴史的な解説をつけたのは酪農家の3代目でした。 中でも全員の大爆笑を誘ったのが、あるブログに載った当堆肥の原材料や内容についての「ご高察」、ブログと投稿のコピーを見ながらの皆で大笑い、推察の見当はずれはともかく農業試験場の水まきの仕方までけちが及んでいました。しかし、当会議の出席者にも失礼なことを言うのもいて「最大の見当はずれは、マクタアメニティが緻密だってことだよね」。 「堆肥原料は非公開にしたの?」「いや新聞の取材には答えましたよ、今回書かなかったけど」「6次化絡みであちこちで講演しているもんね、前に日経でも出たし」、そして最後はやっぱり「世の中は暇だね」で会議出席者全員一致です。

「県からデータが出ました」で終わるのではなく、引き続き研究機関と調査検討を行っています、とにかくご高察はともかく、フィールドに出なくては話になりません。 当該堆肥等を条件に合わせ必要量投与して適切な生産を実現するシステムは、アグロ・イノベーション・カンファレンス(2009.幕張メッセ)等で発表しています。 堆肥、有機肥料などの必要量を求めるシステムは「有機施肥設計システム」として国の研究助成金で開発しました。当初Accessで開発したものの、農家の利用環境を考えExcel切り替えて稼動しています。
テーマ:ほっとけない原発震災 - ジャンル:政治・経済
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