今回もまた、大それたテーマですが、極めて個人的な話題から。
昨年の秋、健康診断で胃の精密検査を命じられました。実はその一年前も同じような診断で胃カメラを飲んだところ異常なし、ところが今年は原子力災害に関わるストレスと不規則な生活から、さすがに胃痛や吐気などに悩まされてきました。 しかし、時間が取れず先延ばしをしたまま年を越してしまい、透視のレントゲンを見た医師からは「胃がんの可能性もある」と脅かされる始末。覚悟を決めて1月半ばに胃カメラを飲みました。 逆流性食道炎もなく胃も軽い胃炎がある程度、投薬が必要なほどではないとカメラを操る医師の話を聞きながら、(経鼻胃カメラなので)話をしながらカメラを押し込んでいると医師の手が止まりました。 「相当激しくやってますね」と医学用語とも思えない表現の場所は「十二指腸」で、素人目に見ても分かるほど横一文字の傷が見えました、十二指腸潰瘍です。
出来れば安静と言い渡されましたが、かなり先まで外せぬ予定が入っています。とりあえず「無理はしません」「禁酒」も続けます、とその場を取り繕い何とか病院からは逃げ帰りました。

風評被害対策や、24年度の生産計画、主宰している事業運営や原子力災害の損害賠償交渉、目の眩みそうなスケジュールのなかで半月後、1月後の講師やコメンテーターなどは何とか下ろしていただく交渉をしていました。 もちろん、どうしてもしなくてはいけない情報発信や報告もあるので軽重を見極め、代理を立てられるのであれば今回はご容赦をという話を進めるのですが。どうしても出て来いという団体もないではありません。
それら交渉をしているうちに「幕田が病気」と言う情報がかけめぐりました。そうなると逆におちおち休んでもいられません。さらに忙しさに拍車がかかります。
私たちの話にあなたの発表は必要だから、代わりが見つからないからあなた来てよ、出先にまで携帯が入ります。 主催者にとって原子力災害下からの報告は不可欠で、それらを表立って支援することはある種の「正義」なのでしょう。しかし、被災者のニーズや意向は一様ではなく、他人の意見や見解を押し付けられることで逆に「ストレス」 や「被害者意識」を植えつけられることも多々あります。
放射能災害下の福島は、情報過疎ではなく多くの情報が飛び交い整理出来ない状況にあります。特に小さな子どもを持つ母親の精神状態は察するに余りあります。 仕事や経済上の理由で、子どもを避難させれない家庭も多くあるというより、それが大半と言ってよいでしょう。避難先でも差別やいじめが多くあると言います。少々旧聞ですが主務大臣が「くっつけてやる」と軽口をたたき更迭される国ですので何があっても不思議ではありません。 ある母親は「こんな危険な場所から子どもを避難させないのですか」と言われたとき、パンを求める民衆に「どうしてお菓子をためないのかしら」と言ったフランスの王姫ことを思い出したといいます。 いろいろな不条理に耐える福島です、私の潰瘍などもののかずではありません。
テーマ:ほっとけない原発震災 - ジャンル:政治・経済
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