
東日本大震災以来看板が大流行です。いわゆるメッセージボード、意見や主張を書く看板もあれば、所在を明らかにする目印代わりの看板もあります。
政府も復興支援の意志の現れでしょうか、やたら組織機構を立ち上げては紛らわしい名称の看板を掲げ、分かり難いの機能が重複してるのと国民の顰蹙をを買っています。
それに比べてさすが「東京電力」全く上手い看板の立て方をします。「東京電力福島原子力補償相談室」いかにも[賠償に関わるご相談は何なりと]と言う雰囲気を漂わせています。
ところが話を聞いてみると、東電が作成した東電向けのの損害賠償請求書への記入アドバイスだけを行っています。当然のことながら損害賠償審査会の中間指針に沿った最低限の賠償を、被害者の実情や内容に関わらずに行おうとするもの。ある被災自治体の長が「なるべくこの様式では和解しないように」と言ったということが肯けるものです。 ところが被災者も人間なので、特に営業損害関係は早めに資金の手当てをしたいのが人情で、泣く泣く和解するケースも多いとか。もっとも和解はここでするのはなく書類は郵送で、郵送後は東京の担当者との電話連絡のみ。 「あまり担当者が分かり難い書き方をされると、何度かお電話をおかけしてお伺いするようになりますので」と、請求内容は簡単に書けと相談室もすかさずフォロー、早く金が欲しけりゃ面倒のことは書くなということらしいのです。 念の入ったことにローテーションがあるのでしょう、常に何人か相談室にいる東電の社員はちょと皺のよったワイシャツ、くたびれたスーツ姿、逆に同情をかうような小道具や衣装の仕立ても万全です。普段はバリッとしたいでたちで渋谷を闊歩しているのでしょうが。 ちょっと込み入った話になると、当初の「ご疑問は何なりと」から一転し「それは本部の判断になりますの一点張り」、「では本部に問い合わせて」と畳み掛けると「請求にお書きいただいた上で本部にお送りいただいて判断するようになります」となり、「あまり担当者が分かり難い書き方だとお電話をおかけしてお伺いするようになりますので」で話が一周します。 本当に申しなさそうに言うもので、芝居なら「たいした役者」と変な感心をしてしまいます。返答の矛盾を突くと「中間指針ではなんとも出ておりませんので」、以前銀行の窓口でも都合が悪くなると口を揃えて「金融監督庁の指導により」と他の機関のせいにすることを思い出してしまいました。
このようなことを繰返しつつ、被災地復興はどうも「亀」の歩みです。
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