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幕田武広

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生命の根源
命の堆肥4

料理の鉄人が、美味しさの生面線として「命の出汁」と称して、真っ先に鰹節から出汁を取っていました。
野菜の美味しさの生命線はまさにこの堆肥です。有機質だからいいというだけではありません、発酵の進み具合、ミネラルバランス、成分バランス、土壌改良性、すべてに優れていらければなりません。

冬の畑3

まさに生命の存在が感じられないような晩秋の畑。しかしこの土壌には無数の微生物が住んでいます。地に置かれた種から信じられないような生命力でで健康な野菜が育ちます。土から芽を出した野菜は、土に敷かれた不織布によって害虫から守られます、不織布が除かれる頃には害虫に負けない葉に育っています、美味しさの根源は土、そしてそれを支える堆肥、無数のの土壌微生物や土壌中の小動物がそれらの動きをサポートします。

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テーマ:食の安心 - ジャンル:地域情報

雑草に負けるな
ゾッソウにかけるな1

大地に根を張り、雨風に負けずに元気に育つことを「雑草」と表現されます。
その雑草より、なお、たくましく育つ野菜があります。冬に向かって美味しさを増す小松菜、もちろん化学肥料は20年以上も使っていません。土の力と堆肥で育ちます。堆肥で育つというよりも、感覚的には土の力を堆肥によってつけるとでも言いましょうか。消費者の皆さんには少々分りにくい表現かもしれません。肥料の化学分析から吸収量を割り出してくる農学の専門家にも納得は出来ないかもしれません。もちろん土から吸収されて、生育に必要な成分は化学式で表すのですが、簡単な足し算引き算では行かないのが有機栽培の奥の深いところです。

今年は風評被害の影響で夏場の生産を控えました。ですから作と作との間隔が空き、そのあいだに雑草が生育するため種などがこぼれ、栽培時期にも例年より多くの雑草が出てきます。
小松菜の畑にもハコベが芽を出してきました。このハコベはやがて畑一面に繁茂します。
あとは小松菜との根競べ、まさに強い方が勝つという自然界のサバイバルです。もちろん強いほうが勝つといっても相手を枯らすわけではなく共生をして地上部の日照をめぐる縄張り争いというところでしょうか。

この小松菜はなかなか負けません、その争いの中から美味しい美味しい味覚が生まれます。化学肥料と農薬で育った軟弱ものとは訳が違うよ、小松菜の心意気が聞こえてきそうです。


テーマ:食の安心 - ジャンル:地域情報

ベラルーシの研究者 アレクサンダー ニキティン氏
去る11月22日、ベラルーシ国立アカデミー放射線生物学研究所のニキティン博士が福島を訪れました。
沖縄のフォーラムのパネラーとして参加されたものを、福島の被災現場にも来られるということで記者発表の席を設けさせて頂きました。

ニキティンシシ01

ニキティン博士の福島の予定が決まったとき、沖縄に居た私に代わり会場設定などは大内果樹園さんにすっかりお願いしました。ホテルで記者会見など、貧乏育ちの当方など思いつかないようなシュチエーションで話が進んでいました。

梨畑7

取材のテレビ局の要望で、急遽果樹園での撮影も入りました。このテレビ局も先日のウクライナ・ベラルーシ視察にも同行しており、その映像もあわせての紹介になりました。
ニキティン博士の非常に興味深い研究内容はまた随時本ブログでもご紹介したいと思います。

世界の眼が注がれているFukushima、その真価が示されるのは30年後でしょうか50年後でしょうか!
それとも近日中に驚くような情報発信が出来るかもしれません。




テーマ:ほっとけない原発震災 - ジャンル:政治・経済

「ふじ」の収穫が最盛期です
十月から十一月中旬まで暖かく、晩秋、初冬の味覚ふじの収穫が遅れていました。ここに来て寒さも戻り収穫も最盛期です。

今年もしっかりした果肉に、果糖の濃縮した「蜜」が充分入る万全の果実に仕上がりました。

ふじの収穫2

放射能災害に関わる風評被害の支援として、東京のNPO団体が「福島支援」としてお取り上げいただけるとのこと。NPOの世話人の方々には放射能検査の表記や栽培方法の説明などいろいろご心配頂きましたが、
理由は何であれ初めて食べていただいたお客様には「驚くような美味しさ」を感じて頂けるものと思います。
永年培ってきた土作りと管理技術は安心安全、そして美味しさを保証します。
これをご縁に、これからもご愛顧いただけますようよろしくお願いいたします。若い後継者も育ってきています。

テーマ:福島県 - ジャンル:地域情報

捨てられる果実
熟柿6

また柿の話題になります。柿には少々思い入れがあります、100年の歴史を持つ伝統的な農産物加工品を近代的な食品に仕上げてきた、少なくともそれをお手伝いしてきた自負があります。
干し柿をセロファンで包んで、「昔懐かしいふるさとの味」的な売り方を、脱酸素包装で一定の日持ちを保証しファイバーの豊富な健康食品として新たな商品化を進めたのがもう20年以上前のことになってしまいました。

新たな生産流通方式を開発する過程で、従来の物流モデルの中で取引される「あんぽ柿」からは距離を置くようになりましたが、やはり思い入れの強い生産品です。

柿畑5

その干し柿が危機を迎えています、果実の中で「柿」がとりわけ放射能が高いわけではありません。
ただ干し柿にするため重量が1/3~1/4に減ります、その分果実中のセシウム濃度が上がります。どうしようも無い現実のなかで今年は全面的に加工を諦めました。

ひときわ鮮やかなオレンジ色の果実が、食べられることも無く廃棄物となってしまいました。農家の心理、地域経済に与える影響、こんな悲しい現実が目の前に横たわっています。
もともと柿の木は、栽培するというよりも土手とか庭に自生しているような樹木です。この地方はかつて養蚕の産地、養蚕業の衰退にあわせて桑畑に柿を栽培し管理しててきたようなところがあります。

そのような地域の永年の歴史が一瞬で壊れてしまったようです。何とか立て直さねばと言う思いが萎えてしまうような光景の前で、熟した柿のすえた臭いが一層情況の深刻さを伝えています。

柿

でも、がんばろう「ふくしま」。

テーマ:福島県 - ジャンル:地域情報

新雪の連山
新雪01

暖かい秋が続いていた福島にも雪の便りが届きました。吾妻山に冠雪がありました、本当に苦しいことばかりの福島です、悲しみや悔しさをを雪で覆ってくれますようにと、祈るようにして見上げました。

吾妻・安達太良などの連山「奥羽山脈」が、福島、郡山、白河などの福島県中通りと会津地方を区切りますそちらが日本海側です。太平洋側は原発の立地地帯になります、こちらは冬でも積雪が少なく、東北地方でも温暖な地域です。

今日も避難地域の一時帰宅が行われたようで、報道陣も一緒に現地にに入りました。人はいない町で野生化した牛が群れを成して走る光景はとても異常です。
首都東京から250km圏内でこのような光景が現実に起きています。電力を浪費し豊な生活を享受した裏側でこのような悲惨な事実があります。
明日はその東京です、元農林事務次官高木勇樹氏と話をさせて頂きます、高木さんは現在はプロ農業支援機構の理事長、中国大使に転出した丹羽宇一郎氏の後任で理事長になりました。
現在の農業、決して問題点が少なくはありません。しかし、財界人や官僚が語る新農業論はどこかトンチンカンな印象があります。自然や食糧に対する畏敬の念が少ないように思われます、それは決して感傷的な観念的な理論ではなく、そのようなことが無いと、地域社会の循環や相互扶助が途絶えてしまい産業としての農業も命脈を絶たれることになります。
原子力災害で人のいなくなった地域を見ると特にそう思います。明日は高級官僚の皆さんにそのような話をさせて頂きたいと思います。
明後日からは沖縄です、福島の思いを少しでもお伝えできればと思っています。

テーマ:福島県 - ジャンル:地域情報

晩秋の福島
DSC_ち007

秋祭りもほぼ終わり、村の祠は静かに冬が来るのをさらには春の訪れを待ちます。静かな村の暮しになお一層の静寂が訪れます。

社を取り囲む杉の大木、これらまで除染のため伐採するという話もあります。なんと寒々しい晩秋でしょうか。

株の植え替え2

こちらの農家では芍薬の株を植え替えていました。除染のため土を除けたあとに植え直しです。今では地域でも有名な野菜農家ですが、かつて養蚕をしていました。それが廃れたあとに一時花を作っていたそうです。その頃の名残り、コンクールで賞を受けたときに記念樹として頂いたものだそうです。

地域にも人にもそれぞれ歴史があります、積み上げてきた歴史や思いを是非これからも大切にして行きたいと思います。

テーマ:ほっとけない原発震災 - ジャンル:政治・経済

復興の狼煙に
薫タン
稲刈も終わり、田んぼは冬支度。籾殻もセシウム検査を受けて使用の許可が出ました。
籾殻で作る薫炭は有機農業の必需品、炭の多孔質という性質により微生物の住処になり、また保水や排水にも役立ちます。酸素を蓄える役割もあり、根の健全な生育を助けます。

福島県須賀川市のきゅうりの農家でも、きれいに片付けた露地きゅうりの畑で薫炭作りの煙が上がっていました。
それにしても、春から苦労の多い一年でした。来年は良い事がが続きますように、ここの農家の末のお子さんは来年高校受験とか、春から良い知らせが届くことを心から願っています。



噴煙4

いつもは福島市から見る吾妻山、福島市の南隣りの二本松市の方向から見ると少し趣が変わります。
この日は青空に、真直ぐに上がる噴煙でした。吾妻山の一切経、いつもは風にたなびく印象あるのですがこんな噴煙ををみた記憶がありません。もっとも震災と原発事故以来、山を見上げるような余裕のない日々が続いていました、まだまだ自然を愛でるような雰囲気ではありませんが、逆に豊な自然のありがたさが身にしみる昨今です。

テーマ:福島県 - ジャンル:地域情報

里の秋の異変
kaki4.jpg

秋の青空や紅葉した里山を背景にたわわに実る柿はまさに福島、特に伊達市を代表する風景です。
ところがご承知の通り今年は放射能の影響で干し柿に加工しません。こんなときに限って何年かに一度の大豊作、収穫されない柿が風に揺れていました。

柿3

もともとこの地方の干し柿「あんぽ柿」は、大正時代にカリフォルニアのレーズン加工からヒントを得て考案された手法で、剥いた柿を二酸化硫黄で薫蒸して半生で仕上げます。半生とは言え乾燥で重量が減るため果実の中に取り込まれていたセシウムが濃縮され、暫定基準値を超える可能性が出てきます。万一に備えて加工出荷の自粛になってのですがこれから除染を進めたとしても、来年は食品基準値が低くなると言う情報で、ことによるとこの地方から干し柿つくりという産業が消えてしまいます。

農家が賠償を受けれな済むという問題ではありません。農家に加工の手伝いにくる労働力、出荷資材の納入業者、運送販売業者、産業の裾野が広いため地域経済に及ぼす影響は相当大きいものがあります。

営々と続いてきた産業が忽然と消えてしまうことは経営経済はもちろん、自然保護、環境破壊にも繋がってしまいます。なんてことをしてくれたんだ「東京電力」、農家の怒りの矛先はまるで農家の遺失利益を賠償すればそれで解決すると言わんばかりの東電担当者の口調に向けられていました。


テーマ:ほっとけない原発震災 - ジャンル:政治・経済

果物の風景
無人販売1

近所の果物の自動販売です。産地の中とはいっても住宅地ではそこそこの需要はあるようです。
有機栽培ではないのでどれだけ美味しいのか分らないので、利用をしたことはないのですが軽トラックに乗った農家の奥さんが補充をしているのは見かけます。

このようなささやかな販売風景でもいろいろな異変が見受けられます。おうりん

やはり販売に苦戦しているのでしょう、単品ではなく詰め合わせて量を増やして販売しています。{お得感」で売上を伸ばそうとしています。

くりあ3

また、放射能の問題もクリアしているので安全ですという表示もあります。原発事故による放射能災害なければ、「余計な気苦労はせずに販売できたものを」と、農家のボヤキが聞こえてきそうです。ボヤキと言うのはちょっと軽いかもしれません、「怨嗟」の声とでも言いましょうか。

しかも、「TPPの協議に参加」について政治決断をするという報道も流れてきました。放射能とその風評被害に脅かされる農家にとって「前門の狼後門の虎」とでも言いましょうか。

TPPについては長くなるので、この問題については後日触れさせて頂きます。とりあえず試練が続く福島県農業、大胆な発想の転換がなければ、明確な戦略がなければ明日は見えてこないのは衆目の認めるところです。

テーマ:ほっとけない原発震災 - ジャンル:政治・経済

冬の準備も進んでいます
日本といわず、世界の気象はどうなってしまったのでしょうか?
タイの洪水はいろいろな所に影響をもたらしています。

タイの洪水とは比べるべくないにしても、このところの11月とは思えないような暖かさもやはり相当な異常気象です。震災、津波、原子力災害に目が行きがちですが、会津や新潟の台風による水害はこの夏のことでした。
地球は日本は、どうしてしまったのでしょうか。

しゅんぎく6

驚いたり、嘆いてばかりいても始まりません。この冬用の野菜作りも始まっています。冬野菜はなんと言っても葉物、「しゅんぎく」の栽培も始まっています。サラダでも食べられる評判の「しゅんぎく」です。
震災で壊れたビニールハウスも修復が終わりました、有機質の搬入にも放射線量の測定をしながら進めました。
美味しいと言っていただける野菜つくりに日々励んでいます。
県内の風習
視察8

東京の企業関係者と地元大学の皆さんの視察をご案内をしました。
福島県の中央部本宮市、アサヒビールの主力工場があります。ここ長屋地区は山間部、郡山ではなく田村市の方に接しています。
まさに阿武隈山系、東の方角には安達太良山を望めます。旧白沢村、隣りの旧岩代町は二本松市に合併しました、といえば位置関係が分りやすいでしょうか。それにしてもローカルな話題ですが。

大学も福島県を支援したいという企業の皆さんにも、情況に苦悶する生の声を聞いて頂きたくてこのようなところまでご案内しました。農家レストランを開業しようとして改築した土蔵が使われる当てもなくまるで夢の残骸のように佇んでいる姿に、視察の皆さんは何を思われたのでしょうか。

視察9

ここの地区も秋祭りでした。
このあたりまで来ると、福島県最北部の福島市や伊達市とお祭りの趣も異なります。どこか大人しい、品の良い神社の祭り飾りに見えます。京からでも落ちて来た人の末裔でしょうか、そういえばこのあたりの寺は天台宗が多いと聞きます。
大変な中での秋祭りになりました、この社がこれからも続く悠久のときを同じように見守ってくれることを祈って止みません。

テーマ:福島県 - ジャンル:地域情報